#807/1850 CFM「空中分解」
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小学校の飲酒会 FM9
★内容
小学校の飲酒会
そうですそれは三十年
三十四五年まえでせう
小学四年か五年生
古い昔の事ですが
学校の図書室の
事務所で何時も二三人
先生と一緒に酒飲んだ
御緒走食べた思い出の
そのお話をいたしませう
私はこれでも学校は良く出来ました小学の
一年生から引き続き
ずっと級長してました
悪童でしたが先生に
信用せられ大切に
あつかわれて居りました
あるひはもっと居ったでしょう
其の中とりわけ四五人は
私を可愛がってくれました
この先生達時々は
ごくごく内緒で私に何時でも秘密のお使いは
その宴会のお酒やら
牛肉コンニャク玉ネギを
其の他の御馳走買う事で
買ふて来ますと宴会が
私も生徒でありません
先生なみにあつかわれ
いやいや御苦労サア飲めよ
はい有難うとへいちゃらで
先生と一ぱいやりました
一緒に箸をつっこんで
ほろ酔いかげんでいろいろな
歌もうたうし大胆に
先生方の批評やら
私の人生観等を
いろいろのべて先生を
みんな煙にまきました
まわるにつれて先生は
いろいろ大人のいやらしい
つまらん話をするときは
黙って家へ帰りました
そういう事も有りました
先生に送られ夜おそく
家では時々心配し
始めはむかえに女中等が
マア公認で私は
おかげで大人になってから
お酒の量ではどんな時
人間という奴は
こうして小さい時にはや
お教えてもらって有難い
あのなつかしい図書室は
あの小学校は焼けたでせう
位田杉本福岡や
長井や岩倉校長の
みんなどうして居られるか
大方死んで居られまい
まぶたに浮かぶ図書室の
事務所の宴会思い出す
お酒を一升ぶらさげて
片手に肉の包みもち
あの図書室へ市場から
急いで何時も帰ったケ
早やう帰って上げようと
雨降るときも雪の夜も
あああの時分がなつかしい
芳草詩集より 昭和二十七年二月二十一日
大辻桃源 作
この詩は,小田原の大辻桃源さん作です. 奥さんがぜひ
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