AWC RUN☆BATTLE  <7>   Fon.


        
#790/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DGJ     )  88/ 2/19  19:37  (100)
RUN☆BATTLE  <7>   Fon.
★内容

     「RUN ☆ BATTLE」   by 尉崎 翻
      ( 落 日 編 )

「暇だなぁ〜」
 ハニーは学校ってとこにいっちゃたし、三次元でやることもないし‥‥
 学校に付いていきたかったが『勉強の邪魔だぁ〜!』と、いって追い払われたリミ
であった。
 三次元。すなわち現代日本の10代が着るような服をどっから手に入れたのかしら
ないがちゃっかり着ていて地上を歩いていた。尻尾があることを除けば三次元人と区
別がつかない。
 その尻尾も装飾のようになって誰も不思議がらないように見えた。
 テクテクと目的も無しになんとなく歩く。
 ヒュゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「んっ!?」
 ピタッと立ち止まった。なにかの落下音がリミの頭上から聞こえて来たのだ。
「なにかしら?」
 首を上げて上空を見る。一つの点が空に見えた。
 点はヒュゥ〜〜と、落下音をたてながら大きくなり2つに増えた。
「あれっ?」
 急激に大きくなった二つの物体はリミの目の前1m。アスファルト道路の上を落下
地点に選んだ。
「ハニー!?」
 なんてことはない。落下物体は多くの読者の予想どおり、つまるところシャルと篠
原だったのだ。
「三次元って変わった勉強するのね?」
 のんきにリミが話し指で篠原をツンツンとつっついたりする。
「‥‥んな‥‥ょう‥‥ってたま‥‥か!!」
 アスファルトにめりこみんだ体をなんとかはいずり出す。
「えっ、なぁに?」
「こんな授業あってたまるかぁ!!」
 ようやく起きあがった。ゼェゼェと肩で息をしている。
「あっ!」 リミが篠原とロープでつながっているシャルを見つけた。
「シャル、なんでここに?」
 幸か不幸かシャルは墜落のショックでグタッーーッと気絶をしていた。
 金ピカの服が食い千切られたようにボロボロとなり雑巾と区別がつかない。
 リミがシャルの肩に手を触れようとしたその時。弾丸音が篠原の後方でした。
 反射的に篠原がリミとシャルに飛びつく。
 一瞬遅れで先程の地点に爆発が起こる。
「な、なによこれ!?どーゆーこと?」
 リミが何事かと篠原に尋ねる。
「どーも、こーも‥‥‥」
 キャタピラ音が聞こえ始める。
「モクヒョウ、イマダショウメツセズ。ダイ737ハ ハッシャヨウイ!」
 キャタピラ砲の合成音が感情のない声を告げた。
「だーーーーっ!」
 気絶しているシャルを抱え篠原は逃げだした。べつにシャルを助ける気持ちなどま
ったく無いのだが、パライズロープでお互い縛られているので持ち上げて逃げないと
シャルが錘の役目をしてしまうのだ。(もちあげても錘か‥‥)
「ハニーってばぁ!」
 篠原に出遅れたリミがヒョイと飛び上がって追っていく。
「なんなのあれ?どうして逃げてるの?」
「‥‥全部、こやつが悪いんじゃ!このシャルがなぁ(中略)と、いうわけだ!」
「ふぅーん」
 なっとく、なっとく、と、リミがうなずく。
「おまえなー」
「なぁ〜に?」
「なっとくしとらんで!助けたらどうじぁ!」
「誰を?」
「おれを!」
「なにから?」
「‥‥っ、あ、あのなぁ!話し聞いとらんかったんか!」
 ケラケラとリミが笑った。完全に弄んでいた。
「そー、ねぇー‥‥助けてあげないこともないんだけどぉ〜」
「なんだ?」
「ハニーが、あたしとの婚約を認めたら助けてあげてもいいわよ」
「‥‥だっ!だれが認めるか!!」
「じゃぁずーっと、そうしていたら?」
 そう言うとリミはスーッと空高く上がっていってしまった。
             (30分経過)
「ねぇ!いい加減に認めたら!?」
「絶対認めるかっ!!」
             (さらに10分経過)
「そろそろ潮時じゃない?」
「み‥‥み‥とめん‥‥わぃ‥‥」
             (んでもって1時間経過‥‥‥)
「モクヒョウ、イマダショウメツセズ。ダイ1534ハ ヒョウジュンヨウイ」
 壊れたプレーヤーの如く同じ事しか言わないキャタピラ砲。
 篠原はシャルを持ち上げる体力もなくなり引きずって逃げ回っていた。
 それも限界が訪れたらしい。力なくバタリと倒れる。
「モクヒョウ テイシカクニン。ヒョウジュンセッテイ シュウリョウ。ハッシャ!」
 キャタピラ砲が篠原を確実にとらえた。
「もう、ハニーったら強情なんだからぁ」
 リミはスーッと上空から降りて来た。
 すぐさまバズーカーらしき物を取り出して(‥‥どっから?)肩に乗せセットさせ
る。キャタピラ砲の銃口の光が白くなる寸前にリミのバズーカーは発射していた。
 レーザー弾がキャタピラ砲を直撃しすざましい光と共に爆発する。
「ハッシャ‥‥ハッシャ‥‥ハッシャ‥‥」
 キャタピラ砲の音声装置だけリミの目の前に飛んで落ち、合成音がワンパターンの
声を繰り返していた。
「ハニー、やっつけたわよぉ‥‥‥あれ?」
 見れば篠原はいない。
 それだけでなくシャルは当然のこと、道路自体がなくなっていた。
 ギョッと、バズーカーを見れば横のメモリが‘Max’を示していた。
「あははは‥‥‥ちょこっと威力が大きかったかな?」
 同時刻。
 爆風によって上空に舞いあがった篠原。
「リミのばっかやろーーーーーーーっ!!」
 目の前にジェット機の翼があった。
                                 <つづく>




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