#760/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (XKG ) 88/ 2/13 18:55 ( 29)
深夜連載小説「噂のスーパーガール」(1)クエスト
★内容
健作は高校生だった。健作といっても新リレーAの健作とは違うのである。
新リレーAの健作は中学生。陸上部。女たらし。困った男だ。
こちらの健作は県立神戸第3高校の2年生。剣道部の主将である。成績もなかなか
優秀で、女の子をたぶらかしたりもせず、まあ模範的な生徒である。
体はすらりとして、顔もハンサムだから、周りの女子生徒から憧れられていて、
そうか、明日はバレンタインデー。健作はまた山のようなチョコレートに埋もれる
のであろうか。
しかし、健作は一年上の山上美智子のことが好きで、彼女がまた優秀、そして豊か
な家庭の娘で何もいうことはないのだが、真面目というか、健作の気持ちを知って
いるはずなのにデートなど余りしてくれないのであった。
健作と美智子とは小さい頃から友達で、その頃は何故かよくいじめられていた
健作を美智子がかばったりしていた間柄である。
さて、話を始めなければ。
健作がいつものように剣道部の練習を終え、帰ろうとしていると、悪友の田岡一也
がやってきた。
「おい、こんど麗子の家でパーティーするんやけど、おまえもこいや」
「今度の土曜日の夜や。親が旅行に行って誰もおらへんね。面白いそ」
「そうやなー。考えとくわ」
「山口、そんなこというててええんか。こんなチャンスは滅多にあらへんで。女も
ぎょうさん来るんや。酒もある。ひょっとしたら男になれるかも知れへんで」
「僕はそんなん苦手やなー。家でパソコン通信してるわ」
「あほか。お前は!バソコン通信やてー。あんなしょうもないもんやめとけて。
あんなん女もおらんし、もっと暇な時にせいや」
というような訳で、健作は余り気が進まないまま、麗子の家のパーティーに行く
ことになってしまった。
つづく