#751/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (BMD ) 88/ 2/10 12:37 ( 69)
新リレーA> 第16回 終盤への掛け橋 COLOR
★内容
007山下(私信>メガネさん年賀状有難う御座居ます)は目の前で最上の幸福という
顔をしているNo.2佐藤をみた。
彼はアンカケ焼きそばを口一杯に頬ばっていた。
「ぼうじだ・・・ぼばえばだべだいどが(どうした お前は食べないのか?)」
口から紅ショウガを飛ばしながらNo.2佐藤は言った。
「ふ、馬鹿な奴、しょせんお前も特別諜報部の器じゃないらしい」
007山下は不敵に笑った。
「???」
No.2佐藤がよくわからんという顔で007山下を見ると彼は指をパチンと鳴らせて
可愛らしいウエイトレスを呼んだ。
「サーロインステーキを頼む。そうだな・・・ミディアムレアで焼いてくれ」
007山下は平然と言った。確かにここの喫茶店はステーキもやっているが・・・
驚いたのはNo.2佐藤であった。
「お、おい。そんな金あるのかよ・・・」
007山下はニヤリと笑うとこう言ってのけた。
「必要経費に決まってるだろ」
「「「「!」
「うぅむ・・・」
鈴木健作はさきほどからズッと考えていた。よほど祥子に言われた言葉が図星だった
らしい。
「やっ、鈴木くんではないですか・・・」
突然、瞑想・・・いや思考の妨害をされた健作は驚いて声の主を確かめた。
そう彼女こそ噂の人物・・・古沢であった。
「・・・よぉ」
頬をヒクヒクと揺らしながら健作は言った。
「深雪さん、ちゃんと送ってったから・・・ね」
健作は安心したように言った。
「悪いな、また貸しをつくっちまって」
それを聞いた古沢はニコリとほほ笑んだ。なかなか可愛い、正直健作はそう思った。
深雪に悪かろうが事実なんだから仕方ない。健作はすでに悟りを開いていたようだ。
「いいのよ、ここで返してくれれば・・・すいませぇん、ピラフとエビドリアとボンゴ
レスパゲティ」
健作が家に財布を忘れたことを知っている人間はまだ実在していなかった。
一方100円ケーキで見事に懐柔された深雪はまだ痛む首を押さえていた。
母親から健作の母との千日戦争直前までいった話もすでに聞いていた。
でも絶望はしなかった。
今日で10才も歳を取ったように感じている深雪は芯の強い少女へと変貌を遂げてい
た。単なる思い込みだが・・・かなり効果はあるらしい。
次の朝、意を決した深雪は早朝ジョギングを始めた。
健作の重荷になりたくない。という古風で悲壮な決意を固めたのだ。
そして喫茶店の前を通り過ぎようとすると夢時堂とネームの入ったエプロンをして歩
道を掃除している健作とバッタリと出会ってしまった。
当然、007山下とNo.2佐藤も近くに潜んでいた。007山下はポケットにある
レシートを領収書に直して貰わなくてはならない。
「なぁ・・・これからどうなると思う?」
不意にNo.2佐藤が尋ねた。
「どうって・・・結論を出すのが怖いからCOLORはサラっと流したんだろ」
「ふぅん・・・登場人物以外の思惑も色々と絡んで来ているんだなぁ」
No.2佐藤がため息をついた。
<つ・づ・く>
だぁめだぁ・・・・ごめんなさぁい(しくしく・・)