AWC かばん屋はまだ出て来ない   永山


        
#3734/3761 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  25/12/29  16:54  ( 28)
かばん屋はまだ出て来ない   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「かばん屋の相続」第一話無料放送及び第二話を録画視聴。ネタ
バレ注意です。
 連続物だと思っていましたが、単話エピソード四つからなる、全四回のオムニバス形
式を採っている模様。いずれも銀行員と中小企業経営者との間で繰り広げられる人間ド
ラマ、となっているみたい。推理小説の短編集でたまに見掛ける、最終話ですべてが繋
がるという構造は期待しちゃ駄目なのかな? ^^;
 第一話は、主人公の若い銀行員は、ある町工場を、かつて融資を打ち切ることで見捨
てる形になってしまった。その工場は失火により全焼、従業員は路頭に迷い、社長は多
大な借金を背負うことになった。……はずだったのに、数年後、たまたま見掛けた元社
長は、パリッとした身なりをして、運転手付きの車に乗るという変わりようで、銀行員
は驚かされる。当時は負債回収のために工場の実情は徹底的に調べ上げ、火災保険の金
が入ったとして億を数える借金が残る計算だった。復活自体は喜ばしいが、こんな短期
間で立ち直れたのはどんないきさつがあったのか。気になった銀行員が調べてみると、
元社長は大企業の筆頭株主で、九千万円から出資していることまで判明し、ますます謎
めく。果たしてそのからくりは――というストーリー。
 ミステリらしさが感じられて面白かった。その一方で、専門家が調べて最初から分か
らないものなのかなと、ちょっと引っ掛かりを覚えなくもなし。定期的に三千万円のコ
ンサルティング料を支払っていた、なんて記録を見付けたら、「これはどのようなコン
サルトを?」と尋ねるものではないのかしらん?
 第二話の粗筋は省きますが、一話に比べるとミステリ的興味は薄く、人情物に近かっ
たかな。これも悪くはなかったけれども、やや単調だった印象。仕方のない面があると
は言え、伏線がなく、唐突に出される情報で背景が分かるという組み立てには、ひと工
夫がほしかった。
 この第二話は、平成二十一年もしくは二十二年のことだと分かるようになっていたけ
れども、何か理由があるのかしらん。ストーリーに関わる法律が当時と今とでは違うか
ら、とか?

 ではでは。





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