#3471/3592 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/04/30 17:16 ( 40)
刺激のない話 永山
★内容
TBS系で放送のドラマ「キャスター」第三回を録画視聴。ネタバレ注意です。
三回めにしてようやく通常枠内でのエピソードになりました。で、長さが短くなった
せいのかどうか、話の底は浅くなった気がしました。STAP細胞騒動をネタにした、
おんぶに抱っこの内容だったとさえ思う。
まず気になったのが、どのような不正をして、どういう風に結果をねじ曲げたのかが
具体的には示されない点。話の展開から推して、多分、成功率を“盛った”んだと思い
ますが、どうしてそのことをドラマ作品として明示しなかったのか。専門家筋から色々
と突っ込まれるのを恐れて、曖昧にしたのかしらん。制作費の節約にはなかったかもし
れませんが、小手先でごまかしている感がにじみ出てしまった。そもそも“新たな万能
細胞”っていかなる物を想定したんだろ? ES細胞やiPS細胞とは当然別物ってこ
とは、あとはSTAP細胞のように刺激で作られるのを期待するほかないのではと思っ
てしまう。無重力状態で実験するとかか?
次に、栗林は何で自殺を図ったのか。不正の証拠がその手の内にあって、告発する気
になったのだから、普通に後輩記者に話せばいいんじゃないの? 「自らも不正に手を
染めたことが耐えられない、だから命を絶つ」というのは無意味だと分かるでしょう
に。それどころか(ドラマの展開にもあったように)すべての罪を擦り付けられるだ
け。
三つ目、悲劇のヒロインぽく描かれていた篠宮ですが、自身は手を染めていなくても
不正が行われていると知っていたのに、あの振る舞いは何ら同情の余地がない。終盤に
至るまでに改心する機会もあったのに、そのときは何故か隠蔽に加担。終盤、進藤に言
われて急に心変わりするとか、どういうキャラクターなのか分かんない。
四つ目、ラスト近くの、「みんな仲よく力を合わせてやりましょう」はまだいいとし
て、悪いことしていた連中がちょっと頭を下げただけで研究に復帰できる(しかも物凄
い短期間で)のって、どうかしてると思う。国から研究費をだまし取ろうとした詐欺未
遂では?
五つ目。これは今回の話そのものには関係ありませんが、本ドラマの世界では、より
安価で確実に万能細胞を作れることになったと。ならば仮に続編が作られたとして、何
年か経ったこの作品世界ではほとんどの難病が一掃されているはず。その辺り、整合性
の取れたエピソード作りを忘れないようにできるかしらん?
ちなみに、私が途中で想像したストーリー展開は。
――篠宮は時々記憶が欠落する病気に罹っている。そのせいで、高い成功率が示せたと
信じ込んでしまった。篠宮の病気を、周りの者は当初は分からなかったが、大々的に成
果を発表したあとに気付いて、慌てて辻褄合わせをしていた。篠宮本人に真実を話さな
いでいたのは、真実を知ったら彼女が自殺を図る恐れが高いと考えたから。オチでは、
新たな細胞を使って篠宮の病気の治療の可能性が示唆される――
といった具合でした。細部は適当です。(^^; 隠蔽行為に多少でも善意が入ってない
と、感動できないもんね。
ではでは。