#3438/3597 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (lig ) 25/03/30 14:51 (102)
これは人工知能ではない らいと・ひる
★内容 25/03/30 21:08 修正 第2版
永山さん、反応ありがとうございます。
ご質問の答えですが、「生成AIを使用」とはあらすじにもタグにも提示していませ
ん。理由としては「実験」ということで、フラットな状態でどこまで受け入れられるか
を知りたかったからです。
フェアではないと思われるでしょう。しかし、ハーメルンのルールとして「AI作品の
場合は明確に表示せよ」とは記載されていません。
そもそも商業作品として出すつもりもありません(大賞等に応募はしていない)の
で、あくまでも実験の範囲内での行為だと考えております。
現在はノクターンノベルズ版を作成しているために、本作は非公開にしてあります。
それと、今の所は「AIが書いたのでは?」というような反応はありません。
***
今回は生成AIについて語りたいたいと思います。
これは、私自身が実際に生成AIを使用した経験や、ネット上で収集した情報から導き
出した考えです。
まず最初に言いたいのは、「生成AI」は厳密に言えば「人工知能(Artificial Intell
igence)」というより、「拡張知能(Augmented Intelligence)」と呼ぶ方が正しいの
ではないかということです。
現在人気のあるChatGPTなどの生成AIは、入力されたデータをもとに、確率的に最も
「自然でありそうな」出力を生成する仕組みです。つまり、テキストのパターンから次
に来る可能性が最も高い単語や文章を推測しているだけなのです。
例えば、「1+1の答えは?」という計算を尋ねる文章を生成AIに入力したとき、AIは実
際に計算を行っているわけではありません。入力された文章の後に続く、最も自然に見
える単語や数字を予測しているに過ぎないのです。
そのため、まれに「2」以外の数字が回答として出ることもあります(単純な計算であ
れば、その確率は非常に低いですが)。特に数字を使った「なぞなぞ」を入力すると、
生成AIは高確率で間違った回答をします。
このように、ChatGPTなどの生成AIが得意としているのは精密な計算ではなく、あくま
で文章の推論や要約だということです。
それではここで、永山さんの書き込みにあった
「ミステリの『トリック』のアイデアを生成AIに考えてもらう」
ということについて丁寧に考えてみましょう。
ChatGPTの最新版(4.0o)は、2023年10月までに収集した膨大なテキストデータをもと
に学習しています。そのため「ミステリ」や「トリック」といった単語を解析し、それ
らしいアイデアを作り出せます。
しかし、この「作り出す」というのはあくまでも「話を盛る」という意味合いが強
く、生成AIは本質的に話を大げさにする傾向があります。しかも、話を盛ったとしても
必ずしも人間が面白いと感じる内容になるわけではありません。
新しいトリックの斬新なアイデアを生み出すのではなく、AIは既存の情報を組み合わ
せて「それらしいもの」を作るため、本当に革新的なアイデアが出る可能性は低いで
す。
稀に偶然が重なり、奇跡的に新しい発想が生まれることもありますが、意図的にそれ
を狙うことは難しいでしょう。
そこで、現時点で最も効率的にAIから良いアイデアを引き出す方法を考えてみまし
た。
生成AIの特性を踏まえると、以下のような指示方法が最適です。
1. 詳しい状況設定を明確に伝える
舞台設定、全登場人物の性格・心理状態、建物の構造、死体が発見された状況(密室
の場合、その密室がどのように閉じられているか)を具体的に伝えます。
2. 具体的な条件や制約を明示する
凶器、犯行時間、犯人のアリバイ、動機などの情報を具体的にAIに記憶させます。
3. 「水平思考で考えてください」という指示を追加する
ただし、前述の詳細な情報を積み上げていないと、平凡または残念なアイデアしか出
ないことが多いです。
4. 有料プランを利用して専門的なプロジェクトを設定する
ChatGPTであれば有料プランの「GPTs」、Claudeの場合は「プロジェクト」という機
能を使い、AIに繰り返し専門的な学習と指示を与えます。
※無料プランだと保持できる記憶容量が少ないので、十分な学習ができない。
しかし、ここまで手を尽くしても、商業的に十分通用するような革新的なアイデアを
現状の生成AIが出せるかというと難しいかもしれません。それでも、無料版のchatGPTや
Copilotと比べれば、より精度の高いアイデアを得られる可能性は高いでしょう。
でも改良を重ねるうちに、商業でも通用するアイデアや作品が生まれるのも時間の問
題だと私は考えます。
それが何十年後になるのか、はたまた何年後になるのか。いえ、下手をすると何ヶ月
後かにはそれが可能になる未来が待っているかもしれません。
ではでは。