#3410/3610 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 25/03/10 17:33 ( 24)
基盤のない物語 永山
★内容
TBS系で放送のドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」第七回を録画視聴。ネタ
バレ注意です。
やっとこさ、確定した手掛かりらしきものがちらほらと出て来ました。が、それらと
て、ひっくり返そうと思えばどうとでもできる代物ばかりなので、信用ならん。(^^;
だいたい、出生の秘密を探っていて、医者と助産婦に頼み込んでいたなんてのが答で
は、どっちらけというかつまんないというか。あまりにも“正攻法な不正”って印象が
強くて、意外さや趣向が感じられない。ミステリ好きにしてみれば、そういう所に意表
を突くアイディアがキラッと光るのが見たい、ような気がする。(^^;
だいたい(パート2)、その不正・イレギュラーなことをやったのが事件を担当した
刑事二人というのもどうかと思う。推理作家の佐野洋のエッセイに、「(非常に誤解さ
れやすい表現になるが)推理小説は警察への信頼があってこそ成り立つものだ」という
言葉があったと記憶しています。現実世界では警察官だって人間、悪事に手を染めた
り、さぼったりする。けれども、推理小説の世界では警察官が人間だからってそんな頻
繁に悪いことをしていては、話にならない。捜査に携わる刑事が犯人と通じていて、手
心を加えたり証拠隠滅したりしていては、真っ当なミステリにならないという訳です。
本ドラマで刑事二人がなしたイレギュラーな行為は、決して悪いことではなく、義憤
に駆られてのものであり、共感は得やすいのですが、それでも後々尾を引くことになる
であろうとは思わなかったのかという疑問がある。そのハードルを飛び越えるだけの、
より強力な動機が刑事らには必要だった。
ついでに言えば、医者の方も、ばれたら免許剥奪などマイナス面が非常に大きいの
に、何で不正に荷担すると決めたのか、もっと掘り下げて描く必要があるんじゃないか
と。
ではでは。