AWC ニックネームの解体   永山


        
#3204/3611 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  24/09/05  17:40  ( 23)
ニックネームの解体   永山
★内容
 『十角館の殺人』が映像化された当初ぐらいに、同作について何やかやと書いたと
き、犯人にとって困るのは、メンバーの誰か一人でも、犯人の存在を第三者に喋った時
点でアウトになることだとしました。
 で、この間、ふと思い付いたのが作者にとって困る(困るといってはおかしいけれど
も、そういう展開にしてはぶち壊しだという意味)パターン。十角館で最初の殺人が起
きたあと、犯人以外の誰かが「不謹慎だからニックネームで呼び合うのはやめよう」と
提案し、皆が受け入れたとしたら、犯人は全然困らないけど作者は困る。(^^;
 実際、親しい仲間が殺されたというのに、その後もずーっとニックネームで呼び合う
のは、不自然に思えなくもなし。いえ、ニックネームが本名を素にしたとか身体的特徴
からつけたといった自然発生的なものなら、まだ「ありかな」と思えるんです。しかし
『十角館の殺人』でのニックネームは、推理研の伝統として、各部員に著名推理作家の
名を与え、受け継ぐというある意味強制的なもので、その根底には推理小説だの殺人だ
のはあくまでも空想として楽しむという精神が流れているはず。実際に殺人が起きれ
ば、ニックネームはひとまずやめよう、となるのが常識的な判断ではないかいな。

 X旧Twitterでの『十角館の殺人』感想追っかけ。
 以前の繰り返しになるけれども、「犯人は解決前に分かった」「犯人は予想通り」
「犯人、最初から怪しすぎる」みたいな感想を書く人が、以前ほど多くはないものの、
それでもちらほらいる。「本気で、心の底から嘘偽りなくその言葉を吐いているのか
?」と問いたい心持ち。あの人物を犯人と推理するには、どうしてもブレーキとなる表
現があるのに、そこをどう飛び越えたんだ?

 ではでは。





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