AWC 草原ならぬ創元かつ蒼天のペガサス   永山


        
#3153/3618 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  24/07/19  17:22  ( 30)
草原ならぬ創元かつ蒼天のペガサス   永山
★内容
 アニメ「小市民シリーズ」第二話を視聴。ネタバレ注意です。今回は配信で視聴しま
したが、地上波放送分を録画もしたです。
 原作を既読で種を知っていると、このエピソードは凄くじれったく感じてしまいます
ね。もちろん、原作を初めて読んだときは私もこの解答には思い至らなかったのですが
(だって、あんな丸ごとやるとは思えん。使い切る分量だったのならともかく、後のこ
とを考えない、ちょっと変人のやり方だもの。^^;)。
 そしてやっぱり、の声が怖くて、ギスギス感を多少感じてしまう。これは単に、私が
想像していたのと声のタイプが大きく異なるからであって、読者・視聴者によっては
「いいじゃないの」「ぴったりだ」と思っている人もきっと大勢いることでしょう。
 で……書くことがなくてさすがに分量少ないな、世評を調べてみるかと検索すると、
案外、不評の声もあるのね。ミステリ読みにとっては『日常の謎』というカテゴリが、
きっちり確立しているから興味を持てるけれども、そうでない向きには“どーでもいい
ネタでダラダラやりやがって”となるみたい。勉強になります。(^^)
 でもまあ、吸引力のある謎なら、変に装飾しなくても一般層にも響くと思うんですよ
ね。その加減が明確には想像つきませんがが、たとえば北村薫「砂糖合戦」で提示され
た謎なら、それなりに高い割合で興味を持ってもらえるのではないかと。同作が収録さ
れた『空飛ぶ馬』(東京創元社)は、『日常の謎』を扱った優れた連作短編集の一つに
数えられましょう。
 『日常の謎』という呼称からくるイメージ、あるいはミステリにおける謎の大半が殺
人などの凶悪犯罪でありそれとの対比のように語られることから、『日常の謎』は平凡
な日所に転がっている、平和な謎で、解決もまた優しく穏やかなものである……という
風に捉えがちですが、実際(もちろんミステリ作品の中での話)には平和な謎だと思っ
ていたら真相には悪意が秘められていた、というパターンが結構あるような気がしま
す。そしてその方が評価がより高くなることが多いかも(統計を取った訳ではありませ
ん、あしからず)。
 もしそのような傾向がほんとにあるのだとすれば、平和な日常に実は犯罪めいた――
あるいは犯罪そのもの――の悪意が潜んでいた、その意外性やロジックが、面白さを一
段増やす役割を果たしているのだと思われます。

 ではでは。





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