AWC お笑いを推理する   永山


        
#3130/3613 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  24/06/26  16:58  ( 30)
お笑いを推理する   永山
★内容
 ミステリの感想サイトやミステリ映像作品を紹介する書籍で、本格ミステリのテイス
トがあるというお笑いのネタについて結構挙がっている。U−NEXTで検索してみた
ら、いくつか見付かったので観てみました。
 確かに、解説に挙がっていたネタは、叙述トリックを用いた物ばかりでとても面白い
し、参考になるかもしれないとまで思えたです。一方、そうでないネタに関しては先読
みできる物が意外と多く、ややつまらなく感じたかな。
 ここで気付いたのは、ミステリとお笑いネタの違い。ミステリだと読みながら推理し
て、それが当たっていたら嬉しいし、外れていたら板で納得する形なら騙されて嬉し
い・驚いたという喜びがある。
 一方、笑いのネタについては、推理(先の展開を想像する)が当たっていたら、明ら
かに笑いの度合いが落ちる。自分で言い当てておきながら、くだらないと感じる割合も
結構ありそう。その一方で、当たったことから来る喜びはほとんどなく、極言すれば皆
無に近い。
 ミステリ・推理物にとって重要な要素の一つに、意外性が数えられると思います。
 お笑いはどうか。やはり意外性は重要でしょう。思ってもいなかった方向へ話が展開
して、それが笑いにつながると、その落差分だけ笑いの満足度は高くなる気がします
(落差分だけ、笑いが大きくなるかどうかは別)。
 同じように意外性が大事であると考えられるのに、ミステリでは当てた喜びがあっ
て、お笑いにはそれが乏しいのか。それは多分、ミステリは読者・視聴者の側が、「こ
の謎が解けるか?」と出題されている・挑戦されている心持ちになることが多いから、
かな。意識するしないにかかわらず、当てられなかったら負けという考えが頭の片隅に
あって、だから推測が当たると嬉しい(だまされたときも嬉しい心理と矛盾しているよ
うですが、そこは納得感の問題)。
 お笑いを視聴する場合は、そういう挑戦されている感覚がないでしょうから、先が読
めてもあんまり嬉しくないのかなと思った次第。
 ならばお笑いを観るときは先を読もうとしてはいけない、とはならないのが面白いと
ころ。ある程度は展開を予測し、そこから大なり小なりはみ出すことでも笑いが生じ得
るのは間違いない訳で。

 ではでは。





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