#3003/3588 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 24/03/14 18:18 ( 45)
とばしたせいだけではないはず 永山
★内容 24/03/14 22:02 修正 第2版
U−NEXTとBSイレブンで中華ドラマ「六扇門」を部分的に視聴。ネタバレ注意
です。
全四十話の内、一話と二話をU−NEXTの無料分で観て、残りをどこかでやってい
ないかと探したらBSイレブンで放映中で、二十八話目ぐらいから最終話まで視聴。な
ので、中途をだいぶ飛ばした訳ですが……それでも何て言うか、変なドラマでした。
明の時代、捜査機関である六扇門の活躍を描いたドラマってことで捜査物・事件物の
テイストを期待したのが視聴の動機でしたが、期待とはかなりずれていました。
皇帝の弟である斎王が、皇帝に呼ばれて都へ向かうが、邪魔をする勢力が現れる。斎
王の護衛がほぼ全滅。危ういところを老人の助言で逃げ延びる。同じ頃、皇帝が謎の病
を患う一方、主要大臣の劉吉が皇后と組んで皇子を次の皇帝に据えようと画策。斎王を
襲撃したのも劉吉の命令によるもの。斎王は都の直前で刺客に追い付かれるも、別の助
っ人が入り命拾い。それよりも前に斎王を助けるために囮としてはぐれた配下の一人・
蘇溢清(女性)を、謎の若者・申力行が助ける。
――と、初回だけで結構ごちゃごちゃしていますが、斎王が申力行らの協力を得なが
ら皇后の企みを阻止し、次期皇帝に収まるのがメインの展開なんだろな、と思いまし
た。
ところがその後、いきなり三十話辺りに飛んで観たことを差し引いても、予想外の展
開を見せ、戸惑いが大きかった。善の人っぽかった斎王が結構タヌキで、平気で嘘を吐
いて人を利用するし、目的のためなら仲間が死んでも別にかまわない。では皇后側が実
はいい人だったのかというと、全然。自分の王子と同時期に生まれた別の妃の子供を始
末させようとしていた(実際は命令を受けた人間が躊躇ったため、生き延びている)
し、政には口を出すし、やっぱり嘘を吐きだし。で、どうやら主人公らしいのが申力行
と溢清。申力行と溢清は互いに惚れてるみたいだけど、申力行は六扇門の重鎮だった父
親が殺された件を調査していて、溢清が間接的に関わっているのではないかという疑い
が膨らんでいく。私、途中を観てないからてっきりなんかの誤解があったんだろうと思
ってましたが、さにあらず。どうやら、溢清の師匠で溢清本人は知らぬ実の母親でもあ
る人物が、斎王の口車に乗って?申力行の父親を殺害していた模様。何この展開。修正
のしようがないじゃん。(^^;
それから色々ありましたが省きまして、溢清の母は斎王の命令に従う形で死亡、斎王
は旧友に恩を着せたり脅したりして軍事力を出させ、叛乱を起こす。かつて始末されそ
うになった皇子が実は申力行だと判明する等々、ご都合主義も含めたしっちゃかめっち
ゃかなストーリーを突き進む。うーん、こう書くと面白く感じるかもという危惧を覚え
ますが、ほんと、支離滅裂です。正直言って、登場人物の誰にも感情移入したくない展
開なので。
ただ、皇后の息子が世間知らずのボンボンかと思いきや、皇帝に即位する間際辺りか
ら意外とできる人物であることが分かってくる……というよりも、物語を締めるために
はそういう人がいないと困るから、急に格上げした感がなきにしもあらず。この新皇帝
のキャラがもっと早い段階で打ち出されていたら、あるいは感情移入できたかもなんで
すけど、実際は遅すぎでした。
まあ、どういう着地点になるのか分からないという意味では楽しめたと言えなくもな
いのですが、上述の通り、感情移入できるキャラが不在なことに加え、それぞれの登場
人物の行動原理もちょっとおかしいため、結局はストーリーも歪んでしまった感があり
ます。
ではでは。