#2620/3698 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 23/03/30 20:50 ( 29)
何度目だ『事故』 永山
★内容
BSテレ東で放送の松本清張ドラマ「事故」(二〇一二年版)を録画視聴。ネタバレ
注意です。
原作は松本清張による同名短編小説で、既読です(と言っても読んだのは確か高校生
のときなので、印象はかなりぼやけています)。
とある住宅街に運送会社の大型配送車が突っ込み、壁をめちゃくちゃに壊してしま
う。運送会社の社長が翌日謝罪に行くと、くだんの家の奥さんはやけに優しく、倍賞も
壁を新しく作る分だけで済んだ。数日後、その事故を起こした運転手が変死体となって
見付かり、さらに、突っ込まれた家の奥さんを調査していた興信所所員がやはり変死体
で発見された。これらの事件の裏に潜む意外なつながりとは……?
――とまあ、こんな具合にあらすじを書けば、同じような出だしのドラマを見た覚え
があるという方はたくさんおられることと思います。それもそのはず、同じ原作小説が
五度もドラマ化されているんだそうで。
そういう私も五作全部ではないけど、三つくらいは視聴した記憶があります。そして
今回四つ目となるドラマ「事故」は、今までに見たものよりもだいぶ味付けが異なって
おり、アレンジされていたように思いました。
まず全体的にコミカル。これまでの松本清張ドラマではあまりない雰囲気のまま、話
は進んでいきます。さらには、原作にはなかったキャラクターが登場し、探偵役みたい
な位置付けで展開。意外と悪い感じはしないけれども、一定の違和感は拭えないかな。
お仕着せの服というか。主人公達素人探偵コンビが警察に重要なことを知らせないまま
どんどん突き進むのも、ユーモアミステリのやり口だろうし。
そんな風にコミカル、ユーモラスさを含んで進んできたのに、最後、事件が解決した
あとのオチが、ちょっとブラック。スパイスを利かせる程度ではあるんですが、やり方
がスマートではなかった。料理にスパイスをどばっと掛けて、隠し味ではなく丸分か
り、みたいな。
ミステリとしては偶然頼みなところがいくつかあって、十全とは言えないでしょう。
けれども、設定の妙など見るべき点がある。その内、家に突っ込むのが飛行機のバージ
ョンとかドローンのバージョンが作られたりして? ^^;)
ではでは。