#2584/3697 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 23/02/18 19:39 ( 31)
電話帳に“怪盗”の項目は 永山
★内容
NHKのドラマ「探偵ロマンス」最終回感想で書き忘れていたこと。
平井太郎(乱歩)の嫌な奴キャラ云々については、ネットの記事を拾っていくと、制
作サイドは「濱田岳ならこのキャラクターを演じても嫌な奴にはならないだろう」と見
込んでの起用らしい。そしてその読みは当たっていたことになっているらしい。うー
ん、これまた全然納得できないなあ。間違いなく、嫌な奴に映ったよ〜。
ついでに、再放送を観たので、改めて強く感じた不満点をば。
敵役のアジトを突き止める手順が呆気ない。街角に座っていた浮浪者と思しき子供の
目撃証言をきっかけにして、「こいつならあそこに住んでいるよ」で判明。唖然としま
した。名探偵のライバルたる怪盗が、「こいつならあそこに住んでいるよ」で見付かる
なんて。
アジトでの銃撃戦・乱闘があまりにもおとぎ話。いや別に、昔々ドラマたとえば多羅
尾伴内シリーズみたいに、飛んできた弾を見切ってかわしてもいいんですよ。乱歩作品
の怪人二十面相譚などに通じる物がある訳ですから。でも、探偵が銃を所持していると
分かっているのに、怪盗の部下がつかつかと探偵の目の前まで歩み出て、おもむろに銃
を構えるという流れは、ひどい。撃たない前提でやっているの? 探偵と怪盗の馴れ合
いなのか、これは。
網目になった縄を引っ張って手放すと、その勢いで縄にしがみついていた乱歩が、建
物二階の壁際の回廊から反対側の回廊までジャンプ――という現実離れしたアクション
はまあいいとして、そのアクションをするという意思疎通が、探偵と乱歩の間でいつ成
立したのか分からない。引っ張って反対側まで届くなんて視聴者の誰も思わない訳で、
その感覚は乱歩も同じであるはず(そうでなければ物語の語り手になれない)。にも関
わらず、乱歩は探偵が縄を引っ張り始めた途端、「あ、やめてやめて」とか言いながら
も、探偵が何をするつもりなのか理解したようだった。これを視聴者にすんなり飲み込
んでね、というのは無理がある。
他にも推理物・探偵物としてどうかと思う点が多々あったように思いますが、とりあ
えずここまで。
続編を期待する声が大きいみたいですけど、もし本当に続編を制作するのであれば、
推理物としての骨格だけはしっかり整えて欲しい。
ではでは。