#126/3592 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 17/06/29 20:25 ( 35)
ヨッパライ以外にも 永山
★内容
映画の雑感>「帰ってきたヒトラー」(2015年 ドイツ)
WOWOWで放送された分を録画視聴。粗筋紹介を読んで、ひょっとするとこれは地
上波では流せない作品かもと感じ、観てみることに。
一九四五年に自殺を図ったヒトラーだが、その直前の記憶を失った状態で、二〇一四
年のドイツにタイムスリップする。周囲の者が自分を総統と認識していないことを訝し
んだヒトラーは、新聞スタンド(キオスク)の新聞で二〇一四年にいることを知る。さ
らに情報収集した彼は、現状を把握し、新たなる闘争開始の機会を窺いつつ、キオスク
に住み込む。一方、解雇通告を受けたフリーのテレビマンのツヴァツキは、復帰を狙っ
特ダネを至急探していた。自らが撮影したドキュメンタリー映像に偶然映り込んだ男が
ヒトラーそっくりだと気付き、この男を使えば復職が叶うかもしれないと考える。程な
くして男を見つけ出したツヴァツキは、ヒトラーそっくりのコメディアンか何かだと思
い、ヒトラーを連れて自主製作動画をドイツ各地で撮る。その動画を元いたテレビ局に
売り込むが、直属の上司には相手にされない。しかし、局長に就任したばかりのベリー
ニ女史は共に現れたヒトラーに関心を示し、ヒトラーの番組出演決定という大きな賭に
出る。ヒトラーはテレビ局が付けた秘書のヴェラにパソコンやインターネットについて
教わり、ますます情報や知識を身に付けた。やがて生放送のコメディトーク番組に出た
ヒトラーは、段取りを全く無視し、長い沈黙のあと、演説をぶった。果たして、番組は
大好評を博し、ヒトラー人気は過熱していく。
粗筋は以上のような具合。原作の小説があって、二〇一二年にドイツで刊行され、賛
否両論ありながら大ベストセラーになったそうな。映画の方も賛否両論ありながら、概
ね、高い評価を得ているみたい。
すでにほぼ言い尽くされている感があり、同じことしか書けません。面白くて恐い、
突き詰めればこれに集約されるんじゃないでしょうか。ブラックジョーク以上の問題提
起はなされていると思います。ドイツをより知っている人ならば、もっと理解できるん
だろうなという箇所がいくつもありました。
メインテーマを離れて感じたところでは……このヒトラー、適応力が高すぎる。タイ
ムスリップしてきたというのに、すぐに状況を飲み込み、ハイテクを使いこなし、今の
世の中というものを把握している。まあ、そういう設定にしないと、物語が進まない
し、ギャグに偏ってしまいそう。
あと、ドイツの人とヒトラーが往来で語り合う場面は、大部分がアドリブで行われた
とのこと。役者には念のため、ボディガードを付けていたそうですが、それでも凄い
な。もしヒトラーが現代に甦れば、映画のストーリーが現実にも起こり得ることを示し
た、とするのは言い過ぎかしらん。
ではでは。