AWC 本の感想>『トリック・シアター』   永山


        
#112/3592 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  17/06/13  19:58  ( 25)
本の感想>『トリック・シアター』   永山
★内容
・『トリック・シアター』(遠藤武文 講談社)10/5320
 2010年3月21日、東京と奈良でほぼ同時に起きた二つの殺人の容疑者は同一人
物と思われた。一人の犯人による、五百キロの距離を超越した同時殺人は可能なのか。
怪異な事件ばかり扱う警察庁「裏店」の我孫子警視正らが捜査に乗り出すと、さらに不
可解な事実が浮かび上がった。殺人事件の被害者や容疑者と親しい大学時代の映画サー
クル仲間が、ここ数年の3月21日に相次いで、事故死もしくは自殺を遂げているの
だ。
 事件の背後に見え隠れする、地下鉄での同時多発爆破テロ。鍵は、大学時代の自主製
作映画にある?
 江戸川乱歩賞作家が放つ、受賞第一作。

 う〜ん。惹句と真相が乖離しているというか、粗筋を読んで期待していたのはこれじ
ゃない感が強い。煽りに煽って、その解決がこれでは、がっかり。しかも何でそこまで
するのかと思えるくらい登場人物の動きに無理があり、現実味に乏しい。
 現実味に乏しいといえば、警察組織の設定にも非現実的なものが導入されています。
まあ都市伝説的なあってもおかしくはないかもしれない的な部署ですが、突き詰める
と、刑事に私立探偵的な動きをさせたかったから、こういう設定にしたのではないかと
思えてきます。
 そんな設定をしておきながら、警察小説としてリアリティに拘っているらしく、総体
にちぐはぐなものになってしまったような。
 東京に奈良、岩手の刑事が出て来ますが、方言ぐらいしか特徴がなく、解決に特技を
発揮するでもなし、名前付きのキャラクターをこんなに大勢出す必要があったのかな
と、首を傾げたくなります。

 ではでは。





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