#94/3588 ◇フレッシュボイス2 *** コメント #93 ***
★タイトル ( ) 17/05/26 02:06 ( 60)
Re:思い出したように 夢乃
★内容
ども、夢乃です。
『Erotic Love』へのご意見ご感想、ありがとうございます。
まず、私が小説を書くときの悪い癖について。(一概には悪いとは言えないかも?)
特に一人称視点で書くときに顕著なのですが、登場人物(語り手)にとって
『当たり前のこと』を、極力省く傾向があります。「当人が当たり前と思ってたら、
いちいち説明するわけないじゃない!」というわけです。語り手が記録として書いて
いる形式だと、また違ってきますけれど。ところが、登場人物にとって当たり前の
ことでも読者にとっては(当然ですが)当たり前ではないわけで、そのために説明
不足と捉えられてしまうことはあると思います。
ただ、なるべく、読者に想像して貰える情報は書き込んでいるつもり・・・
とは言っても、永山さんが疑問に思ってしまうことから見ても、まだまだ私の筆力不足
ですね。書いていない部分を読者に「適確に」(これが難しいわけですが)想像して
戴ける文章を書けるよう、努力します。
以降、『Erotic Love』ネタバレちょっと注意で。
永山さんご指摘の駅での待ち合わせシーンをどう想像して戴きたいか、と言うと。
図書館が南口側にあるのは二人の行動で解ります。なのに小夜子が「北口で」と言い、
透も何の疑問も持たずにそれに同意している、ということから、二人とも家が駅
(路線)の北側にある、ということを想像してもらいたいわけです。
また、透が極普通に「自転車を置いてくる」と言い、小夜子もそれを疑問に思わない、
ということから、駅周辺、特に恐らく南口側は結構栄えているのではなかろうか、と
想像して欲しいなあ、と。つまり、ここら辺(路線北側)の住民にとっては駅に
自転車を置いて南側でショッピングをする、という行動が日常化している、と
いうことです。
うーん、やっぱり無理があるかなぁ。もう少し、情報量を増やした方がいいのかも。
多分、私と同郷もしくは似たような土地に住んだことがあるなら、想像できると思う
のですけれど。
あ、それと、上に「こう想像して欲しい」とした内容は、「作者の意図した想像」に
過ぎず、読者によってまったく別の環境を想定しても、何の問題もありません。
寧ろ、そういう「語り手にとっての当たり前を読者の自由な想像に任せる」ために
省略していますので。
ちょっと不足かもしれまけんが、これが永山さんの疑問に対する回答になります。
>ただ、一方で、これは作者の狙いなのかな?という印象も受けました。作者の意図と
>して、読者にこういった細かな違和感(あるいは細かな情報隠し)に気付いてもらっ
>た上で、side Sを読むことにより、「ああ、そういう背景があったのね」と膝を
>打っても らおう、楽しんでもらおうっていう。推理物に通じる趣向
はい、それも少しあります。と言っても、結果論なのですが。
最初から言っているように、『Erotic Love』は「エロ小説」です(恋愛小説に見える
のは、今後のエロシーンに繋げるための前置きです)。で、最初はside Tだけの
つもりだったのですが、エロシーンを思い浮かべていたら「女性(小夜子)視点でも
同じシーンを書いてみたいな」と思い、side Sが生まれました。それで、両方を並行
して書いているときに「透視点で書ききれない(透の目に写っていない)シーンを
小夜子視点で補完できるな」と思い付いて、以降そのように書いています。
(このことは、実はツイッターでもバラしています)
どちらか片方だけでも読めるように書いている(つもり)ですが、両方を並行して
読んで戴けると、片方での疑問点がもう一方で解消されたり、伏線を別のsideで
回収したり、といったことをやっています。
しかし、筆力不足は否めませんね・・・両方読んでも解らないところもあるかも・・・
14話から本格的にエロシーンに入った『Erotic Love』、より読者が適確な想像を
できるよう、精進しつつ進めていきます。
それでは。