AWC 書くことを思いつかないなあ  談知


        
#275/566 ●短編
★タイトル (dan     )  05/08/31  04:39  ( 28)
書くことを思いつかないなあ  談知
★内容
 今日で再開して4回目か。そしてはや息切れである。もう書くこ
とを思いつかない。思いつくことといえば、以前書いたことばかり。
同じこと書いてもしょうがないしな。やっぱり作家なんか向いてな
いのかな。今現在でも面白おかしく暮らしているし、あえて面倒な
書くことをしなくても、べつに問題はないわけだし。
 子供のころから、ワタシはいつか本を書くのだと思っていた。2
0代に世界のあちこちを旅したり、いくつもの恋をしたときも、こ
れはいつか書くのだという意識はあった。その意味では、ワタシの
今までの人生というのは、大いなる助走とでもいうべきものだった
と思う。でも助走だけで50まで来てしまった。本線へ入らないま
ま来てしまった。おいおい、俺はどないなっているねん。というの
が正直な気持ち。本来俺がやるべき役割があるだろう。そんな思い
がある。その役割をやることなく、助走だけで人生が終わってしま
うのか。
 中島らもは、その遺稿である「ロカ」のなかで、「ひとには成す
べき役割がある。その役割があるうちは、ひとは殺してもしなない。
しかし、その役割が終わってひとは、不条理に死んでいく」と述べ
ている。そこだけでなくエッセイでもそんなことを書いてる。承知
のとおり、らもさんは階段から落ちて死ぬという不条理な死に方を
した。ということは、らもさんは役割を終えていたのだろうか。な
すべきことをなして、書くべきことを書いて死んでいったのだろう
か。まだまだ書くべき事はあったように思うのだが。
 ワタシの場合はどうだろう。成すべき役割とは。今現在の面白お
かしく暮らしていることが、成すべき役割なんだろうか。それとも
別の役割があるのか。書くことがそうなのか。確かにワタシは子供
のころから、いつか書くのだと思っていたが。しかし、書くことは、
今は大いなる助走状態でしかない。ワタシの未来に書くという役割
が待っているのだろうか。待っていると信じたいけれどね。





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