AWC 申し訳ないが気分がいい  談知


        
#228/569 ●短編
★タイトル (dan     )  04/11/23  06:10  ( 53)
申し訳ないが気分がいい  談知
★内容
 朝起きる。今日の予定を考える。すると一日中自分の自由になる
時間が広がっているわけだ。何をしてもいいし、何をしなくてもい
い。そういう自由な時間がたっぷりある。うーん気持ちいい。申し
訳ないほど気分がいい。これこそ本当の豊かさというものだという
実感がわくね。
 いやいや、その前に、朝起きること自体、すでに自由なんだもん
な。目覚ましで強制的に起きるということがない。ここ20年間で
目覚ましで起きたことなぞ数回ではなかろうか。いつも自然に目が
覚めて起きている。つまり朝早くの予定など入ってないから、何時
に起きるなどと気にすることがないからだ。これも気分がいいこと
だな。
 こういうことができるのも働いてないからだが、そのことに別に
引け目は感じてない。障害者なんだから働けないという、立派な理
由があるからだ。正直いえば、障害者でなくても、働きたくないな
と思うけどね。ワタシは立派な怠け者である。確信犯の怠け者。働
くのなんか嫌だね。今のところ、生活は親がみてくれているし、親
が死んだら生活保護ということになるだろう。それでも十分楽しく
暮らしていく自信があるね。とにかく、働いてあくせく苦労するよ
り、金はなくても自由な時間があるほうがいい。まあまったく無け
れば自由でありえないが、今は障害年金の6万円というお金がある
わけだから、小遣いには不自由してない。働かずに暮らせる。こん
ないいことはない。申し訳ないが気分がいい。
 一日中自由な時間が広がっている。ワタシを拘束するような予定
はほとんどない。入れないようにしている。絶対その時間に行かな
ければならないような予定は可能な限り少なくするようにしている。
行ってもいいし、行かなくてもいい。なるだけそんなようにしてい
る。これは一面、当事者でなくなるということでもある。つまり、
主体となって行動するのでなく、誰かがお膳立てしたものに乗って
やるだけという、傍観者的な立場にたってしまうことでもある。確
かにこれだと面白みは減少するだろう。しかし、主体になってやる
と確実に拘束されるのである。時間に拘束される、人に拘束される。
自由が拘束される。ワタシは主体になる面白さより、拘束される不
自由さのほうが嫌だな。
 だから、ワタシはいろんな団体に関わっているが、なるだけ役員
などにはならないようにしている。責任のある役職などつかないよ
うにしている。つけばいろいろ責任を負わせられる。それが楽しい
と思うひともいるのだろうが、ワタシはそれはワタシの自由が制限
されることだと思うのである。
 自由自由といっているが、しかしただ自由だけでも人生つまらな
い。やることが必要なわけだ。やることがあるから、そのために自
由が必要だということ。ここを取り違えてはならない。
 ワタシがやること。みっつだけである。文章を書くこと。本を読
むこと。女性と付き合うこと。このみっつ。ワタシの人生は、この
みっつのことだけやっていればいいと覚悟を決めている。このみっ
つをやるために自由が必要なのだ。どうでもいいような会議などに
でている時間はない。そんなことするために生きているわけではな
い。
 朝起きる。予定を考える。自分の自由になる時間が広がっている。
さて何をしよう。今日はあれを書くか。そのあと本を読もうか。何
がいいか。そして今日会う女性は誰にするか。その場でいろいろ考
えていく。むろん、何を書くも何を読むも誰と会うも自由である。
今ワタシはこんな感じで毎日をすごしている。
申し訳ないが気分がいい。





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