#208/569 ●短編
★タイトル (dan ) 04/11/03 05:04 ( 20)
朝に歩く 談知
★内容
毎朝歩いている。ウォーキングというやつである。ワタシの住ん
でいる町を一周するとちょうど30分。それを2周する。それで1
時間。ちょうどいいくらいの時間距離である。
最初のころはつらかった。歩いていてもちっとも面白くないわけ
である。だからウォークマンを聴きながら歩いていたりした。それ
で何とか気を紛らわして歩いていた。
あるいはいろんな事を考えながら歩いていたりもした。歩きなが
らだと結構いろんな事を考えるものである。昔の哲学者も歩きなが
ら考えたというが、それほど高尚なことを考えたわけでもないが、
とにかく、あれやこれや考えて歩いていた。
そんなことしてても、1時間が長く感じた。なかなか時間がたた
ない感じがした。歩いても歩いても終わりがなかなか来ないような
気がしていたものだ。
それがいつからか、何にも考えなくても歩けるようになった。何
も考えずひらすら歩く。それができるようになった。そうなると不
思議なもので、あっというまに1時間が過ぎてしまう。時間の長さ
を感じなくなっていた。
これはもう禅の境地ではなかろうか。歩行禅というのがあるそう
だが、そんな感じもする。毎日歩きながら禅をしているみたいなも
のである。そのうち悟ったりするかもしれないね。