AWC 自由の代償  談知


        
#195/569 ●短編
★タイトル (dan     )  04/10/23  09:03  ( 48)
自由の代償  談知
★内容
 東京の吉祥寺のブックオフへいき100円本を何冊か買ってでて
きた。そして電車に乗ったところで店に傘を忘れてきたことに気が
ついた。店を出るときは雨がやんでいたのだ。よくあることだよね。
傘って、行くとき雨が降っていて傘を使い、帰るときに止んでいた
らかならずといっていいほど忘れる。帰るときも雨が降っていたら、
当然傘が必要だから忘れるはずないわけだが。
 このときもまったく同じだ。でもワタシはそれでニンマリしたの
だった。実は傘が邪魔で困っていたのだ。傘ひとつといっても、そ
れがあることで行動がかなり制約されてしまう。何より邪魔くさい。
電車のなかにでも捨てようかなと思っていた。それがうっかり忘れ
たことで解決ついてしまった。良かったなと思った。傘は大阪で買
って1000円である。この1000円をどうみるか。1000円
捨ててもったいないと思うか。それとも1000円で自由になれる
のなら安いと思うか。ワタシは安いと思うほうである。これが大阪
市内でのできごとなら、いくらワタシでも捨てたりしないし、忘れ
たら残念に思うだろう。しかし旅先である。東京に来ているのであ
る。それが1000円惜しさに一日傘を持ってうろうろする。不自
由なまま一日過ごす。こんなのってどう考えてもあほらしい。すぱ
っと傘を捨てて自由な気持ちで一日過ごしたいではないか。少なく
ともこの行動の自由が1000円で買えるのなら、ワタシは躊躇無
く1000円払うね。そういう訳でそれからは傘なしで自由に過ご
した。やっぱり楽だね。
 またうっかり忘れたことは運的にもいいのだよな。いらないもの
をいっぱい抱え込んでいるのは運が逃げるもとだ。だからそれらい
らないものをどんどん捨ててしまうのはいいのだ。しかし、必要な
ものをぽんと捨てたりすると、その捨てたものと一緒に運も捨てて
しまう恐れがある。傘ってのは基本的に必要なものだろう。それを
ぽんと捨てるのは運的にはまずい。それがうっかりで忘れたのなら、
そういう恐れはない。運的にはプラスもないがマイナスもない感じ
である。傘がなくなって自由になり、運的なマイナスも無かったの
だから、傘を忘れたのは良かったのである。
 自分の自由の代償がどのくらいであるか。どのくらいなら自分の
自由と交換できるのか。そういうことをいつも考えておかないと、
いつのまにか自分の自由を安く売り渡すことになる。なるほど、ひ
とがどんなことからも完全に自由ということはあり得ないだろう。
多かれ少なかれ、ひとは自由を売り渡すことで生活をしていったり
している。しかし必要以上に自分の自由を明け渡すのは愚かだろう。
そのためにも、いつもこの自由はどのくらいの何と交換しているの
かということを考えている必要がある。
 また人生を生きていくうえでの運の流れみたいなものにも気を配
る必要がある。人生結局運しだい、というのはワタシの基本的な人
生観であるが、確かに実力も大事だし、信念とか精神的な強さみた
いなのも大事だろう。でもそれと同等に運も大事なわけである。本
当のところ人生の大半は運で決まっているんじゃないか。とかワタ
シは思っている。運の流れに逆らわず、運に乗る。これでいかなき
ゃ楽しい人生は送れない。あえて逆らう人生、なんて事も考えない
ではないが、しかし、そんなことしても、多少の自己満足以外の結
果はでないだろうね。





前のメッセージ 次のメッセージ 
「●短編」一覧 談知の作品 談知のホームページ
修正・削除する コメントを書く 


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE