AWC >お題「作家」-ウタマロ伝説


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#23/569 ●短編
★タイトル (ins     )  02/05/06  13:00  ( 40)
>お題「作家」-ウタマロ伝説
★内容                                         02/05/07 10:42 修正 第4版
 今は昔、日本の江戸の町にウタマロさんという絵描きさんがおりました。
 彼は正統派な画家ではありません。ウタマロさんは、美人を描くのが得意で人気者で
したが、何しろ正統派ではありませんでしたから、偉くはありませんでした。偉いとは
思われていませんでした。彼はその日の生活を送るために絵を描き飛ばす必要があった
でしょう。一人で、毎日。それで、ポルノなんかも描いていました。今なら週刊誌に載
っているグラビア写真のようなものです。偉い人たちはそんなものを描きませんでした
から。
 でもね、ウタマロさんは絵が大好きで、そして多分人間、いや、ポルノも大好きで、
一生懸命描いていたんだと思います。そして町の人たちも、ウタマロさんの絵が好きだ
ったんだと思います。美人も、ポルノも。
 彼は大量の男女の姿を紙の上に描き現しました。さまざまな姿勢で場所で交わる男
女。互いの性器を剥き出しにして交わる男女。描けば描くほど人気を博するウタマロポ
ルノ。描けば描くほど偉くなくなるウタマロさん。
 彼の筆は走りに走りました。陰毛の一本一本まで丁寧に情熱を込めて描き続けまし
た。どのくらい情熱がこもっていたかと言うと、現代の技術をもってしても、彼の絵を
版画にするのは不可能だと言われているくらいなんです。
 彼の筆は走りに走りました。彼の想像力は時代の制約を超え、遊び心と町の人たちの
期待を乗せて、高々と羽ばたいていきました。彼は男女の性器をどんどん大きく、かつ
美しく描くようになっていきました。
 時は流れ、江戸の町は東京と名前を変えました。外国から文明というものが大量に流
れ込んできました。日本の人は、日本文化を程度が低いと思い込んで、珍しいもの好き
な外国の人にそれまで大事にしてきた物を売り飛ばすようになりました。ウタマロさん
の絵は、さらに程度が低いと思われて、売り飛ばされる兜や刀なんぞの包み紙や詰め物
として使われてしまいました。そうやって彼の絵は船に乗り海を越え、外国の人の目に
触れました。
 外国の人はウタマロポルノを見て、めちゃめちゃに驚きました。「オー、ジャパニー
ズ コックス アンド プッシーズ アー グレイト」と言ったかどうかは知りませんが…。
正当な権利を求めて突き上げられた労働者の拳より大きく逞しいウタマロチンポ。それ
を受け止め深々と広がるウタマロマンコ。それは、外国の人の間で「ウタマロ伝説」と
して「神秘の国日本」のイメージをかきたて、その前に多くの人を従えました。
 そして「ウタマロ伝説」は再び船に乗り海を越えて、遠い故郷日本へ揚々と戻ってき
たのです。
 想像してみましょうよ。
 おお大いなるウタマロチンポ。人々の心でエンパイア・ステイト・ビルに並んでそび
え立つ。ああ豊かなるウタマロマンコ。大西洋を埋めて漂う。痛快千万なるこの構図。
 今もウタマロは人の至る所あまねく既に居り、力強く人々を迎え抱くウタマロチン
ポ、ウタマロマンコ。地の涯に空の彼方にウタマロはあり。情熱の赴くまま絵筆を振る
い、時空を超えて喜びを表し続ける。地に空に海に時に満ちるウタマロポルノ。それは
自由な遊び心の勝利。生を讃える素朴な心の凱旋の歌。 
 今こそ心にウタマロを。





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