#591/598 ●長編 *** コメント #590 ***
★タイトル (sab ) 22/11/11 11:40 (300)
あるトラニーチェイサーの死2 朝霧三郎
★内容
梅雨入り前で、蒸し蒸ししていて、駅まで歩くのがだるかった。
ダイヤゲート池袋のアンダーパスにもぐりこんところで、ホームレスが、ビッグ
イッシューを売っていた。スニーカーがボロボロだ。
こんな貧しい人がいるのに、西武はこんなにごついビルを建てる程銭があまって
いる。
(そんなに同情していられない。あとちょっとで俺もビッグイッシューを配らない
とならなくなる)
駅の近くまで行ったら、偶然、靴の量販店にナルソックのワンボックスが到着す
る場面に出くわした。売上金の回収に来たらしく、警備員の一人がジュラルミンの
ケースを抱えて店内に入って行くと、もう一人が特殊警棒をカシャ・カシャ・カシ
ャと伸ばして、通行人を威嚇するように反対側の手の平を打っていた。
(この野郎。警察でもない癖に格好つけやがって。ちょっと因縁つけてやろうか。
でもやめた。ナルソックも裏で警察とつるんでいるかも知れないから。何しろ刑務
所を経営するぐらいだから。オムニ社と同じだ)
池袋駅から埼京線に乗り、赤羽で京浜東北線に乗り換えた。
電車はすぐに荒川橋を渡りだした。
レールのつなぎ目の音がコツンコツンと鉄橋に響いていた。
電車が徐行すると、車窓から緑地で野球をしている人達が見えた。
窓の上半分が開放されていて、なまぬるい6月の風が入ってきていた。
何時も小川はここで妄想を開始する。
突然、連結部のシルバーシートのあたりに、「太陽にほえろ!」の関根惠子巡査が
浮き出てきたのだ。
窓から、緑地のグラウンドの方が見ている。
陽の光受けた惠子巡査の横顔は、ローマのコインに彫刻してもいいぐらいの美形
だった。
日差しに目を少し細めていて、髪の毛が窓の上半分から入ってくる風になびいて
いた。
電車は徐行していて、トラス構造の鉄橋の斜材の日影が惠子巡査にカシャ、カシ
ャっと差していた。
突然連結部のドアが勢いよく開くと、な、なんと悪役商会、丹古母鬼馬二と八名
信夫が乱入してきた。
丹古母が勢いをつけて惠子巡査の隣に座り込む。
そして、匂いでもかぐように顔を近づけて、目をぎょろぎょろさせながら迫って
いく。
惠子巡査は体を小さくした。
つり革にぶら下がっている八名が言う。
「よぉ姉ちゃん、真っ直ぐ帰ったってつまんねーだろう、これから俺たちとどっか
行こうじゃねえか、カラオケでも行こうじゃねえか、よお」
そして丹古母は考えられる限りの下品な笑い方で笑うと、首筋あたりをめがけて
、べろべろべろと舌を出す。
電車ががくんと揺れた。
八名が、「おっーっと」と言って身を翻すとそのまま惠子巡査の膝の上に座って
しまう。
「電車が揺れたんだからしょうがねえや」
「やめろーッ」叫ぶと小川は敢然と立ち上がった。
二人は、一瞬あっ気に取られた様にこっちを向く。
なーんだ兄ちゃんか、という感じで、惠子巡査を放置すると肩をいからせてこっ
ちに迫ってきた。
「なんだこのあんちゃん。スポーツでもするか」
言いつつ八名がこっちの襟を掴みにくる。
すかさず小川は手で払った。
おっ、猪口才な、みたいな顔をして更に手を突っ込んでくる。
それを又払う。
ネオ対エージェント・スミス、みたいな組み手をしばらくやるのだが、丹古母が
、遠巻きに小川の背後に回ると、懐からドスを抜いた。
そして卑怯にも背後からドスで小川の背中を袈裟切りに切り付ける。
白いワイシャツが裂けて背中の肉もざっくりと切れる。
「キャーッ」と悲鳴を上げて惠子巡査が顔を覆う。
しかし小川はがっばっと丹古母の方に向き直ると、超人ハルク並のパワーを発揮
して、まるで紙袋でも丸める様にぐしゃぐしゃにるすと放り投げてしまう。
今度は八名に向き直ると、「ちょっと待ってくれ。話せば分かる」
などと泣きを入れてくるのを無視して、同様にぐしゃぐしゃにして放り投げる。
……電車が反対方向の電車とすれ違って、窓ガラスが風圧でバーンと鳴った。
妄想から覚めた。
電車が行ってしまって静かになっても、もう妄想の続きはなく、惠子巡査は現れ
ない。
なんとなく背中に手を回したがシャツが切れているわけもない。
(あのまま妄想が続いていたら、俺は殉職していただろう。
シャツが切れて肉もさけて、そっから出血して出血死する。
惠子巡査が覆いかぶさる。
「死なないで、死なないでー」
しかし俺は息を吹き返す事はなかった。
…萌える。
自分の死に萌える。
何でだろう。
何で俺は殉職したいんだろう)
「京浜東北線の南浦和行きです。次の停車駅は川口です」
という車内アナウンスで我に返った。
しかし、何故殉死したいのかという謎はしばらく脳内を駆け巡っていた。
西川口駅で降りるて、駅前通りから陸橋通りに入って、陸橋とは逆方向に5、6
分行った、中山道に近い辺りに、小川のヤサはあった。
1階が布団屋で2階から上が1Rアパートになっている。
誰も居ない部屋に入ると、玄関脇のキッチンの冷蔵庫からペプシを取ってきて、
居室に入った。
机に腰掛けると、引き出しからアイコスを取り出して、タバコステックを差し込
むと、すーっと吸い込んではーっと吐き出す。
吐き出された煙はエアロゾルですぐに霧散した。
とりあえずコーラを飲みながら一本吸い尽くす。
吸い殻は、薬瓶に入れてギュッと蓋を締めた。
さて、小川はベッドに移動すると、造り付けのクローゼットを開けて、ダンボー
ルを出した。「自分が死んだら開けずに捨てて下さい」とマジックで書かれている
。それを開けると数々の大人のおもちゃが入っていた。みちのくディルド、アナル
プラグ、アネロスなどの中から、アナルビーズ(8連。先端のビーズは1センチ、
根元のは2.8センチ)を取り出した。
とじ紐を3本つなぎ合わせて、アナルビーズのコックリングに結びつけた。
机の中にあったコンドームを取り出すと、アナルビーズにかぶせた。
(こういうことをするのはこれが初めてじゃない)と小川は思った。
(そもそも最初から、精通の時から、俺はおかしかった。
精通したのは中二だったが、あの頃は性に関しては全くの無知で、俺のペニスは
、包皮がカリんところに溜まった恥垢にひっかかって剥けないでいたのだが、あれ
を無理に剥くと、えんどう豆の様に脱落するんじゃないかと思っていた。
それでも入浴の度に、少しずつ溶かしていって、そしてとうとうある晩剥け切っ
た。
生後十四年にして、とうとう外気に触れた自分の亀頭。
最初は皮を剥いて突っ張らせて膨張させることだけで快楽を得ていた。
ただ、あの頃から 肛門の疼きはあって、自然とアナルをいじるようになった。
それがエスカレートして、ペンやらドライバーやらリコーダーを枕元に並べてお
いて、夜な夜なアナルへの挿入を楽しむ。
そうしてとうとう或る晩射精したのだが、それは包皮を強く剥く事と肛門への刺
激のみによる精通だった。
だからって別にホモじゃない。
じゃあどういうプレイがいいのか、というと…)
追憶から目を覚ます様に頭を振ると、小川は、アナルビーズを持って、ベッドに
移動した。
ベッドの向こう側の真ん中へんにクローゼットの取手あるのだが、そこに紐を縛
り付けた。
ペペのローションをアナルビーズにたらすと、指先で入念に塗りつけた。
(これで準備オッケーだ)
ベッドに横になって、仰向けに寝て両足を開いてみたり、左横向きに寝て左手で
ハンケツを掴んで右手で挿入をこころみたり、結局、左横向きに寝て金玉鷲掴み、
右手の人差し指でアナルビーズの一個目を肛門に押し付けた。
括約筋がビーズを押し戻そうとするが、力を入れると、ヌルッっと吸い込まれて
いった。二個目以降は、アナルビーズを引っ張れば括約筋が吸い込もうとするので
、その勢いで吸い込む様にする。そうやって、とうとう8連の全部を直腸に入れる。
両手を前に回して、右手でペニス、左手で睾丸を握った。
そういう状態で、腰の動きだけで、アナルビーズを抜こうとしては、括約筋を締
めて肛門内に吸い戻す。
アナルビーズの丸みが括約筋を刺激するたびにペニスがびくびくするのを更に手
で揉む。
そして小川は妄想の中へ沈んでいった。
(ここはどこだ。
ここは京浜東北線の駅の医務室か。
俺は丹古母鬼馬二に切られた背中の傷の為にここにいるのか。
いや違う。
ここは警察病院だ。
俺は、京浜東北線で瀕死の重傷を負ったが、そこで、殉死する筈だったが、奇跡
的に助かったのだ。
薄暗い警察病院のカーテンの向こうから、ナイチンゲールの格好をした関根惠子
が現れた。
惠子はかがみ込んで俺の顔を覗いた。男前な顔が間近に見える。
「包帯の交換にきました」
ピンセットやガーゼの乗ったトレイをもったまま惠子は背後に回った。
それから、かちゃかちゃ音を立てて準備をしていたが、やがて、傷口に詰め込ん
であるガーゼを取り出す。
「いたッ」
「我慢して」言うと、惠子は背中で処置を続ける。
それが終わると、こっちの二の腕に手を乗せて耳元で
「まだまだ肉が盛り上がってくるまでには時間がかかりそうだわ」とささやいた。
「じゃあ体を拭きます」
惠子に背中を拭かれる。腰のあたりから、尻の膨らみのあたりまで拭かれる。
「あ、お尻の刃物の傷跡も消毒しないと。でも、大量の出血で肛門に血が流れ込ん
でいる。これだけ入っているとお湯で拭いただけでは無理ね。捲綿子で取り除かな
いと」
惠子はまず、尻のほっぺを広げて肛門を露出させて、大雑把に肛門周囲をタオル
で拭いた。
それから、親指と人差し指で、ぐーっと肛門を広げると、捲綿子を挿入してくる。
血で汚れた捲綿子は鉄の皿に捨てられた。
惠子は更に指に力を入れて思いっきり肛門を開くと、二本目の捲綿子を突っ込ん
でくる。ぐりぐりぐり。
そして、汚れた捲綿子を捨てる。
やがて血は綺麗に取り除かれて、ピンクの直腸粘膜が現れた。
丸で十四年ぶりに恥垢が取り除かれた亀頭の様に綺麗なピンク色をしている。
「ほら、こんなに綺麗になった」惠子はこっちの二の腕に手を乗せると俺の顔を覗
き込んだ。
「それじゃあ肛門の内側にクリームを塗っておきますからね。必要な処置ですから
くすぐったがらないで」
言うと惠子は、クリームを乗せた指2本を肛門に滑り込ませてきた。
ずぶずぶずぶ。
「ああーっ」
「我慢して」
クリーム擦り込ませるために、肛門の内側にぐるり一周指を這わせた。
ぬるぬるぬる。
「あっ」
更にもう一周、ぬるぬるぬる。
「あーーーッ」
「はい終わりましたよ。今度は奥の前立腺の方にも塗りますからね。これは、治療
上必要なことだから恥ずかしがらないで」
言うと指2本を付け根まで挿入させると、前立腺側を、ぐりぐりぐり。
「あーーーー」
「もう少し我慢して」ぐりぐりぐり〜。
「おおーーーー」)
そしてリアルの小川は大量の射精をした。
ぴゅっぴゅっ、とペニスが痙攣する度に括約筋が閉まって、アナルビーズがギュ
ーッと吸い込まれる。
しかし既にそれは性的な快楽ではなくて、排便の際の肛門の感覚に成り果ててい
た。
はぁーと小川はため息をついた。
ティッシュの上に放射線状に撒き散らされた精液からは、かすかな栗の花の匂い
が立ち上ってくる。
肛門からアナルビーズを取り出してコンドームを外した。便はついていなかった。
机のところに戻ると、丸で一仕事終えたみたいに、又タバコに火をつけた。
スーッと一吸い。
PCを立ち上げたるとyoutubeを開いた。
射精の後は何故か、プロラクチンが分泌されるからか、賢者タイムで、芸術的な
気分になった。
(音楽でも再生しようか。でも今日は…)
再生したのは、「ロボコップ」一場面「Movie CLIP - Sayonara, RoboCop!」。
何時もこういうタイミングで見るのは、女の為に殉死するという類のものが多い
。例えば「タイタニック」でローズの身代わりになって冷たい海に沈んでいくディ
カプリオとか。「砲艦サンパブロ」で揚子江の上流にキャンディス・バーゲンを助
けにいって中国の兵隊に狙撃されて死ぬスティーブ・マックイーンとか。
しかし今日はより血なまぐさいのが見たくて「ロボコップ」の廃工場のシーンを
再生した。
廃工場の水たまりにアン・ルイス隊員がケガをして尻餅をついている。
そこに銃をもった悪党のボス、クラレンスが迫る。
「バイバイベイビー」と銃口を向けるが…。
しかし、ロボコップ参上「クラレンス!」
と思いきや、子分のレオンが高所で、クレーンの操作室へ走って行くではないか。
アン・ルイスは対戦車砲バレット82に近付くが、
クラレンスは銃を捨ててニヤつく。「OK、ギブアップだ」
「もう逮捕したりはしない、処刑だ」
しかし、クラレンスはロボコップをおびき寄せていたのだった。
「まあまあ、ちょっと待て」
何も知らないロボコップは近付いて行く。
操作室のレオンが、モノレバーを操作して、UFOキャッチャーのクレーンみた
いなのに掴まれている鉄骨をロボコップの頭上に移動させる。
「まあまあ、ちょっと待て」と更におびき寄せる。
ちょうどクレーンがロボコップの頭上に。
操作室でモノレバーを引くレオン。
大量の重量鉄骨がロボコップを直撃する。
「やったぞ、クラレンス、ロボコップをやった」
しかし、操作室のレオンはアン・ルイス隊員の放った対戦車砲で木っ端みじんに。
クラレンスは驚くが、とがった鉄パイプをもつと鉄骨の下敷きになっているロボ
コップを襲いにくる。
鉄パイプを振り下ろすクラレンス。
最初の2発3発は腕で跳ねのけるが、クラレンスは両手で握って振りかぶると、
とどめを刺す様に胸部にぶっさしてて、ぐりぐりぐり。
「うぉーーーーー」と絶叫するロボコップ。
「さよならロボコップ」
ロボコップ絶命か。
しかし、ロボコップはデータアクセス用ニードルを手の甲から突き出すとクラレン
スの頸動脈をぶっ刺す。
血しぶきがぷしゅー。
クラレンスはのたうち回って絶命。
あのままロボコップは殉職するのだろうか。アン・ルイスの見ている目の前で。
(俺も、関根惠子、或いはナンシー・アレンの見ている目の前で、絶命したい)
小川はスマホを出すと、トラニーのアリスにショートメールを送った。
>貸してくれた「ロボコップ」返さないと。
>youtubeでロボコップが、廃工場でクレーンで、
>鉄骨を落とされてぶっ潰れるシーンを見付けた。
>繰り返し見ている。
>そういえば、勤務先のマンションに崩れそうな足場がある。
>あれの下敷きになれば同じ様に死ねるのか。
高田馬場にあるニューハーフ風俗、リブレ高田馬場は、賃貸マンションの一室を
事務所兼店舗にしていた。
マンションの玄関を開けると受け付けのカウンターがあって、その向こう側にリ
ビングがあって、突き当りの引き戸を開けると、トラニー達の詰め所の和室になっ
ていた。
和室の外にベランダがあって、トラニーのアリスは、加熱式たばこを吸いながら
スマホで喋っていた。
「そもそもこっちはちんぽを切って女になりたいんだから、元々は女でしょう?
それをトラニーチェイサーというのは、ちんぽのついている状態を求めてくるんだ
から」
「うん」
「もう、歪んだ性欲をこっちに向けてくる段階でムカついているのに、それに加え
て、遊びでホルモンやってみたい、なんて言っているのよぉ」
「えー」
「ノンケの癖にホルモンやろうなんて輩は許せないわよ。こっちはホルモンですご
い苦労しているのに」
「私だって、タチのトラニーチェイサーに散々やられて、どうしても性転換手術で
お金が必要だったから我慢していたけれども、アナルローズにされちゃって人工肛
門になっちゃったんだから、あいつらは憎いわよ。だから、そいつを突きまくって
、アナルローズにしてやればいいんだ」
「その前に、足場の下敷きになって死ねばいい、とか思っているのよね」
「えぇ、なにぃ?」
「そいつは警備員なんだけれども、現場に足場があって、崩れそうだって言うのよ
。その下敷きに出来ないかなぁと思って」
「そんなの無理でしょ」
「でも、そいつは自殺願望があって、「ロボコップ」でも「ターミネーター2」で
も「タイタニック」でもみんな死ぬから、死にたいのが普通でしょう、とか言って
いて。プレイでも、「太陽にほえろ!」とかの殉職シーンを使っていたんだけれど
も、今は「ロボコップ」のDVDを貸していて、それをプレイに使っているのね。
そうしたらさっきショートメールが来て、鉄骨の下敷きになるシーンみたいに足場
の下敷きになって死にたい、とか書いてきたんだから」
「だったら、メスイキの状態とか、”ところてん”とかだったら、トランス状態で
無意識の扉が開けっ放しだから、そこに、ロボコップが、鉄骨の下敷きになるシー
ンを埋め込んでやればいいのよ。そうすれば自分から下敷きになりに行くかも知れ
ない」
「そんな事出来るの?」
「だって自殺願望があるんでしょう?」
「そうだけれども」
「特攻隊だって、そうやって背中を押されて死んだんじゃないの?」
「じゃあ、どうやってご指名ご来店してもらうかが問題ね。だって、まだこの前来
てから1週間もたっていないもの。あいつはパートの警備員で給料も安いから、そ
う何回も来られないのよ」
「そこを来させるのよ」
「どうやって?」
「ドタキャンが入ったから今日なら遊べます、これを逃すと1ケ月は無理、旅行も
行くし当分無理、とか言って」
「ふーん」
「なかなか手に入らないものほど欲しくなるものなのよ。売り切れ寸前のところで
、1個だけ在庫がありました、とかいうと欲しくなるでしょう? ハードトゥゲッ
ト。簡単な恋愛心理学よ」
「じゃあ、ショートメール打ってみるか」
「やってみな」