#9044/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 16/09/25 20:00 ( 43)
偶然から転がり始める王道 永山
★内容
WOWOWのドラマ「ふたがしら2」第二回を録画視聴。
夜の町を弁蔵と宗次が歩いていると、腕に軽い刀傷を負った盗人装束の男が逃げてき
た。火盗改めに追われている男は一般の者には迷惑を掛けられないと、宗次らの助けを
断る。弁蔵は男と服を取り替え、自分が今し方の泥棒のふりをして火盗改めらの前に姿
を現し、逃げ切ってみせる。追われていた男は感謝の言葉を残し、宗次から離れていっ
た。立ち去ろうとした宗次は、その場にあった、風呂敷に包まれた小さな仏像を拾い上
げる。
後日、弁蔵と宗次とおぼしき二人組を探している者がいると耳にした、お銀(壱師の
一味)はそのなりから察しをつけ、確かめに行く。果たしてそれは昔つるんでいた泥棒
仲間の政吉だった。礼を言いたいという政吉を宗次らの元に案内するお銀。政吉は数日
前の夜、弁蔵が身代わりになってやったあの盗人だった。
礼を言いに来た政吉に、宗次は拾った仏像を見せる。やはり政吉の落として行った物
で、寺の屋根裏から盗んだという。他にも五体、同じように各地の寺から仏像を盗んで
いる政吉の目的は、かつての大泥棒が死に際に遺した最後の大仕事という謎かけを解く
ため。よそ者である政吉が江戸で仕事(盗み)をするのを見逃すことにした宗次と弁蔵
は、お銀が一時的に協力するのも認める。ただし、その謎解きには大きな関門が残され
ていた。それぞれの仏像には大店の見取り図が分割されて入っており、最後の七体目を
手に入れなければ話にならない。しかも、その七体目がどの寺にあるのかを示す判じ物
が解けないでいた。
この判じ物について、弁蔵は博打仲間(その実、火盗改め筆頭)の蔵蔵に何の気なし
に話す。すると、蔵蔵はあっさりと解いてみせた。弁蔵はその答を政吉に教えてやって
送り出す。
一方、蔵蔵は後日、寺々から仏像が盗まれる事件が頻発していると耳にして、ぴんと
来る。裏で手を組んだ勘三郎は蔵蔵から事の次第を伝えられると、夜陰に乗じて七体目
の仏像を盗み出した政吉とお銀を、外道働きの連中で取り囲む。嫌な予感に襲われた弁
蔵は宗次を誘って問題の寺に急ぐが、多勢に無勢。政吉は勘三郎の手により何度も刺さ
れ、重傷を負う。勘三郎は弁蔵と宗次にかつてやられたのとは逆におまえらの全てを奪
ってみせると宣言し、場を立ち去る。政吉はやがて絶命し、お銀と弁蔵、宗次らはあと
を受けて最後の仕事の遂行を目指す。
――とまあ、こんな風に王道パターンで話が運んで、非常に心地よい反面、意外性に
欠けるのでちょっと物足りないかな。ただ、よくできているからか、ご都合主義があん
まり気にならなかったな。あと、次週へのつなぎ方が見事だった。舞台を関西に移して
の謎解きと、前シーズンに出て来たキャラクターの再登場を予告する形になっており、
期待感をうまく煽ってる。
仏像の隠し場所を示す判じ物は七つあって、そのどれもがよく考えられているようで
した。知識がないと解けないけど、いかにも江戸時代にありそうな謎々って感じ。
分からなかったのは、政吉がその判じ物を解いていって集めた見取り図六枚の写しを
隠し持っていたという点。そんなことしなくても、住処にしっかり隠しているのかと思
ってたんだけど、そうじゃなかったのか? 七つ目を見付けたときにわざわざ六枚を七
体目の仏像の内部に仕舞った挙げ句、勘三郎に持って行かれたのか? その辺の描写が
はっきりしなかったような。
ではでは。