#8958/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 16/06/27 20:15 ( 51)
謎ばかり残る 永山
★内容
天気予報が外れて、朝から大雨。草むしり中止だ〜。
フジテレビ系で放送のドラマスペシャル「モンタージュ 三億円事件奇譚」前後編を
録画視聴。ネタバレ注意です。
二夜に渡って枠合計で四時間超の長丁場を保たせるには、些か頼りないストーリーだ
ったかなと。三億円事件を取り上げて物語を創作すると、たいていの場合、どんなにリ
アルっぽくやろうとしても、荒唐無稽になるもの。それなら短めに、コンパクトな作り
にして、一気に突っ走った方がよい評価が得られると思うんですが、本ドラマは真逆の
道を行ってます。原作漫画が長いというのもあるかもしれませんが。で、やっぱり失敗
してると感じた。
原作にどれだけ忠実なのか知りませんが、スケールの大きさを醸し出そうとしたの
か、舞台を長崎、東京、沖縄とあっちこっちに移してました。そのせいで、登場人物の
移動のタイミングのよさが異常なレベルになっていた。指名手配された主役の若い二人
が、これだけの距離を移動して警察に捕まらないどころか、検問に引っ掛かりもしな
い。発信機の電波を辿って、博多から東京まで車でやって来る。大物政治家が単身、軍
艦島にこっそりやって来る。ヘリコプターで沖縄から長崎まで飛んで、他にマスコミの
ヘリが飛び交っているはずのただ中、軍艦島に着陸する。他にも、主人公のピンチに助
けが来るタイミングなんて、ご都合主義に以外の何ものでもない。
ストーリーは説明不足で、勢いで押し切ろうとしてる感がありあり。主人公の父親が
冒頭すぐに水死体で発見されるも、あとになって父親は生きて出て来る。てことは、冒
頭の遺体は誰で、身代わりにしたのならどうやって調達したのか。DNA鑑定をされて
いたらどうするつもりだったのか。
他に気になったのは、登場人物の動き。何故このタイミングで動き出したのか分から
ないキャラが多数いる。女主人公の父親は、遺品の剣道具から何を見付けて、男主人公
を訪ねたのか。五百円札は一枚しか紛失していないのだから、五百円札ではない。その
後どうやって三億円事件との関連性に思い当たったのか。
塾講師の男の動き出すタイミングもおかしいけど、それ以上に主人公達を一時的に裏
切った理由がよく分からない。敵か味方か判断着かなかったようでもないし。ハリーを
殴った理由も分からんし。結果から見れば、やることが中途半端だった。極言するな
ら、物語をより謎めいたものにするために、敢えて変な行動を取らせたって感じ。
炭鉱で事故に遭ったあと、川崎雄大が看護婦に名前を問われ、一緒に事故に巻き込ま
れた鳴海哲也を名乗ったくだりも変だ。この時点で、雄大は鳴海の安否を知りようがな
い。なのに、別人になるのを目的に鳴海を名乗るのはおかしい。一か八かで言ってみ
て、結果オーライ?
行方不明の両親を心配して行動を開始した女主人公が、軍艦島での最終盤にて両親の
無事救出を聞く。何故か島をすぐに発とうとせず、いつまでも残っているのは違和感が
あった。普通、両親のところに飛んで行くでしょ。
まだまだおかしな箇所は山盛りだったけど、覚えてないし、録画した番組はさっさと
消去しちゃったので、省略。多分、結構よい原作なのに、勿体ない浪費をしちゃったん
じゃないか。
その根拠としてたとえば……逮捕された主人公二人が逃亡を図る際、コンビニエンス
ストアのトイレに入ったあと、発煙筒が突如として出て来たけど、検索してみたら原作
では前もって主人公の一人が、トイレに発煙筒を仕込んでおいたらしい。ドラマでは、
単にアルバイト先として、通る度にちらちら見ていただけ。何の伏線にも暗示にもなっ
てない。
役者陣は脇を固める面々が豪華で、まずまずよかったけど、主人公の内、若い女性の
方がちょっといただけなかったかな。台詞がいちいち食い気味で、早すぎる。もし日常
生活であんな話し方をするなら、相手の言葉を理解せずに喋っていると思う。
ではでは。