#8844/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 16/03/14 19:53 ( 29)
今なら差し詰め“ネット検索する女”? 永山
★内容
テレビ朝日系で放送の松本清張ドラマ「地方紙を買う女」を録画視聴。激しくネタバ
レ注意です。
久々に、改悪と言い切れる改変が施されてた。おかげで、出演俳優の豪華な顔ぶれと
は対照的に、お粗末な内容になってしまってる。突っ込みどころが多くて、整理が付か
ないほど。以下、適当に挙げてみます。
そもそも、舞台を現代に移したことが大きな躓き。地方紙の連載小説を読みたいから
新聞を定期購読したいという理由付けはいいとしても、その前段階である犯人の秘めた
る思惑が、成り立たない。紙媒体なら地方紙にしか載らないであろう事件事故が報道さ
れたかどうかなんて、今の世の中、ネットで検索すればじきに判明するはず。
遺体発見現場の関野鼻は、人通りは多くないのかもしれないけれど、きれいに整備さ
れており、十日も人に見付からないとは考えにくい場所。どうして山奥や廃ビル内等、
別の場所の設定にしなかったんだろ。
また、これまでの同原作のドラマ化に比すと、展開がやたらと早かった。田村正和演
じる小説家は推理作家で、そこそこ名が知られており、切れ者のようだけれど、それで
も早すぎないか。読者(犯人)に関心を抱くのと疑いを持つのとが同時になっている。
そして、元は短編なのに展開が早いと、二時間超の枠を保たせるのが困難になる。その
せいか、間が長いし、台詞の繰り返しはあるし、エピソードを後から後から継ぎ足した
ような展開になってた気がした。
青酸カリの入手ルートが謎の一つだったのに、その答に口あんぐり。犯人を脅迫して
いた男が、犯人に青酸カリを渡し、隠し持っているよう頼んでいたとは。意味が分から
ない。
殺害動機も取って付けたように出て来て、深みがなかったな。しかも、殺人までして
守ろうとした家庭なのに、夫とはあっさり離婚するし。
大物政治家の秘書の妻が万引き疑惑をかけられ、公表されたくなかったら金払えと脅
されるんだけど、その妻はアルバイトでホステスをしてる。一般に「職業に貴賎はな
い」と言われますが、このご時世、大物政治家にとってこれだけでも大きなマイナスに
なるんじゃあ?
ではでは。