#8670/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 15/09/27 22:37 ( 29)
UP忘れるとこだった 永山
★内容
CSのテレ朝チャンネルで放送の松本清張ドラマ「証言」を録画視聴。一九八四年に
テレビ朝日で地上波放送された物で、柳生博が主演です。
何度か映像化されており、ご存知の向きも多いでしょうが、粗筋をざっと書くと――
柳生博演じる課長の石野は妻子のある身ながら、同じ課の女性社員梅谷と不倫関係を持
っていた。ある夜、梅谷の自宅アパートを出たばかりのタイミングで、石野は顔なじみ
のセールスマンとすれ違い、声を掛けられたので思わず挨拶を返してしまった。その
後、セールスマンは主婦殺しの容疑を掛けられ、アリバイとして石野とすれ違ったこと
を主張する。しかし不倫を隠したい石野は、主張を否定する証言をした。追い詰められ
たセールスマンの妻は、必死になって夫のアリバイ証明を試みる。やがて石野と梅谷の
関係に気付き、アリバイを証言して欲しいと改めて頼むが……こんな感じ。
人物の関係や行動などは、現代でも充分に通用する設定だと思いますが、原作は一九
五八年発表とのことで、現代の視点で観るとさすがに無理を感じる点が多々ありまし
た。防犯カメラや携帯電話が当たり前のように普及した現代だと、このストーリーは成
り立たない気がする。個人情報も、こんな簡単に教えてもらえるとは思えないし。もち
ろんそれは作品の瑕疵ではないし、むしろそれでもなお視聴者を引き込むストーリーに
なっているのは、凄い。
時代性とは関係ないところでどうかな?と感じたのは、まず、主役に柳生博を起用し
たこと。四十代後半にして課長に昇進し、出世コースに乗ったという説明があるんです
が、どうもぴんと来ない。調べてみると、ドラマ製作時点で柳生博は四十七歳でぴった
りなんですが、外見のおかげでもっと年上に見える。そのため、定年間際に課長にやっ
と昇進できた人って風に映ったです。あ、当時の二時間ドラマのお約束(ノルマ)だっ
たんでしょうが、柳生博と市毛良枝によるベッドシーンが取って付けた風で、正直邪魔
だった。
あと、セールスマンの妻が、登戸駅周辺で独自に聞き込みを行うシーンがあるのです
が、駅員に話を聞いた際の駅員の反応が不自然だった。だって、それ以前に刑事が聞き
に来てるに違いないのに、そんな気配は一切なし。他にも、細かい点では注意を欠いた
演出があったように思えたのは、残念でした。
ではでは。