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★タイトル (AZA ) 14/12/30 21:58 ( 25)
本の感想>『人面屋敷の惨劇』 永山
★内容
その前に。
一応、お題募集中!
本の感想>『人面屋敷の惨劇』(石持浅海 講談社ノベルス)12/4341
幼児連続失踪事件から十年。当時、有力容疑者とされながらも証拠不十分と
して嫌疑を逃れた投資家・土佐の家、通称「人面屋敷」を被害者家族の六人が
訪ねる。取材名目で乗り込み、屋敷の中を捜索するためだ。しかし、土佐は余
裕綽々で、子供達も見付からない。ただ、土佐が描いたという子供らのイラス
トが出て来た。それをきっかけに、殺意を募らせた被害者家族の一人が、土佐
を刺し殺してしまう。ちょうどそのとき、一人の美少女が現れた。土佐を「お
父さん」と呼ぶ彼女は一体? 謎の少女と被害者家族達の心理戦が展開される
中、新たな事件が発生する。
変わったミステリだなーというのが第一印象です。いい意味でも悪い意味で
も、どこへ着地するか分からない。そういう作品であるせいか、謎の焦点がや
やぼやけている感もありました。
また、物語を成り立たせるために、登場人物にかなり無理のある振る舞いを
させていると思いました。出来の悪いコントか不条理劇を観ているかのような、
据わりの悪さを覚えたです。
ただ、この作者の、閉鎖状況を作り出すための工夫は、見るべきものがあり
ます。本作もそうですが、色々なパターンを編み出している。その意欲は充分
に買いです。一部で、論理ならぬ倫理のアクロバットと評される作者独特の展
開もユニークで、そういうのが肌に合う読者なら面白く読めるでしょう。
ではでは。