AWC 読了>つきかげさんの『love fool』   永山


        
#7976/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  13/11/24  21:34  ( 74)
読了>つきかげさんの『love fool』   永山
★内容
 読みました〜。
 読み始めてしばらくすると、引っ掛かる表現の多さにしばしば立ち止まりま
した。過剰なほどの「〜ような・ように」の多用や、繰り返される同一もしく
は類似の形容表現に、戸惑ったほど。
 ですが……気にしないことにした。
 舞台劇を意識して書かれたようだし、それを思えば、判で押したかのごとく
の「〜ような・ように」は、舞台で演じる際の注意や指示と見なせる。形容表
現が同じなのも、その人物が登場したことを表すのにふさわしいとも言えなく
もない、多分。
 てことで、まずは、上記以外で、すーっと読んでいて気になった箇所や引っ
掛かった箇所を挙げておきます。
 なお、例によって引用部はこちらの都合で加工をする場合がありますが、ご
了承ください。

@@引用開始(指摘付き)@@
モンタギューと、キャピュレットは、一瞬眼差しを交わしたが、何も言わずに
うつ向く。
↑本来は「俯く」

建物の影となり薄暗い路地で商う露店商の商品は、出事の怪しげな武器であった
                       ↑「出自」?

その無数の花火が炸裂するただ中のような空間で、スーポーツカーのように優美
                       ↑「スポーツカー」

「おまえの愛は、どこにある? 愛するおとこは、いるのか?」
「いてます」
 ↑急に関西弁みたいに

ロミオは、目を見開いた、
           ↑読点じゃなく句点では?

マキューシオは、うんざりしたようにロミオの身体を脇にそかそうとした。
                          ↑「どかそう」?

ティボルトは、まだ銃を構えたままだ。
       ↑「まだ」連続使用−−−−−−−−↓
マキューシオを殺した銃弾を放ったホワイトホースはまだ熱っを失っておらず、
                           ↑余分な「っ」

ロミオの瞳が、昏くつりあがった。
    ↑瞳はつりあがらないと思いますがこれでもまあいいのでしょう。
    あるいは瞳と書いて「め」と読ませるとかでしょうか?

ロレンツの問いに、うめような声をあげたジュリエットは、顔をあげる。
         ↑「うめく」?

ィを駆ってそのおとこが村にたどりついた時には、既に夜が開けつつあった。
                           ↑「明け」?

腕が契れ、胴が内蔵を撒き散らし、吹き飛ばされた足が転がる。
  ↑     ↑「内臓」
「千切れ」?
@@引用終了(指摘付き)@@

 内容について。
 『ロミオとジュリエット』のノワール版といった趣? ちょっと違うか。
 私、『ロミオとジュリエット』をまともに最後まで観賞した覚えがなく、ス
トーリー展開とその本質が、本作と原典とでどう違っているのか、把握できて
いません。が、エッセイなどで得た知識を元に考えるに……ロミオがジュリエ
ットの死が偽装であると知らないのは、原典では確か事前に伝えようとしたが、
伝わらなかったという形だったと思います。本作ではそれがなくて、端から伝
えようとしていない。ロミオが戻るはずないと信じ切っているから?
 あと、原典ではどうか知りませんが、ロミオとジュリエットが一目会って恋
におちる流れ、ここが全体の量に比べて少ない気が。たったこれだけの出会い
で、命賭けの恋愛へと瞬く間に突き進むものか?と少々疑問を抱いてしまいま
した。まあ、そこは「ロミオとジュリエット」という名によって、読者が勝手
に補うところであるのかもしれませんが。
 先述の通り、序盤はかなりつっかえながら読んでいましたが、佳境に入ると
読者を牽引する力が格段に上がって、ひき込まれました。また、細かいアイデ
ィアに面白いものがあり(銃を使うことによる死後硬直の効用等)、この世界
を物語の舞台に選んだ意味を感じられたのもよかったです。

 ではでは。





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