#7562/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 13/02/20 22:11 ( 19)
秘密シリーズ 永山
★内容
本格ミステリには、原則的に禁じ手とされるいくつかの約束事があるとされ
ています。
密室の解決に、実は秘密の抜け穴の類があった、というのが許されないのも
その一つ。まあ、当たり前といっちゃあ当たり前です。秘密の抜け穴を発見す
る過程に、本格ミステリ的興味があれば、だいぶ許容される項目だとも思うん
ですが、それは別の話。
今、問題にしたいのは、秘密の抜け穴のバリエーション、たとえば仕込み杖
や秘密の引き出しといった小道具は、どこまで許容されるのかという点です。
凶器が発見されないことを最大の謎として進んできた物語が、終盤に来て、
実は仕込み杖に凶器が内蔵されていました、では噴飯物でしょう。だからとい
って、早々に仕込み杖の存在を明らかにしてしまうと、小道具としての魅力を
失いかねません。描き方次第かもしれませんが、かなり難しい気がします。小
道具だけに、その秘密の仕組みを暴く過程に面白さを持たせるのも、抜け穴に
比べるとバリエーションが少なそうな予感が。
むしろ、ロジックの方面に使うべきか。仕込み杖の存在を知っているからこ
そ・あるいは知らないからこそ、犯人はこんな行動を取ってしまった……とい
う風に。
ではでは。