#7472/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA ) 12/12/18 17:43 ( 23)
嘘つきは作家の始まり 永山
★内容
映画「ディア・ダッド 嘘つき父さんの秘密 」を録画視聴。
高校生のどうしようもない息子が、自室で自慰行為中に事故で首が絞まって
死ぬ。遺体を発見した作家志望の父親は、あまりの情けなさから名文の遺書を
作り、自殺に偽装。すると、遺書の内容が皆の感動を呼び、評判となる。ヒー
ローに祭り上げられた息子とともに、父親も有名になり、大ごとになっていく。
ブラックコメディと紹介されていましたが、ウェットな要素が結構あって、
いい感じの部分もあったかな。ロビン・ウィリアムズの演技に助けられたとこ
ろも大いにありそう。
それでも全体にコメディ調です。死んでしまう息子が、嫌な感じかつお馬鹿
に描かれているので、死んでも観ている側に何の感慨ももたらさないのが、う
まく作用している。対照的に、周囲の人物は、偽の遺書によって、死者の隠さ
れた一面を知り、感銘を受けたり、崇拝したりするようになる様が、実に滑稽。
以下ネタバレ。
最後に来て父親が全てをぶちまけるのですが、何をきっかけにしたものなの
かが分からず、唐突に見えたなあ。その直前の展開で、息子の日記(もちろん
偽物)が出版されることになり、出版社が同時に父親自身の作品にも興味があ
ると言い出したから、てっきりその流れで、父親の小説はてんで評価されず、
「息子さんの文章は素晴らしいのに」とでも言われ、全てをぶちまけるのかと
思ってました。
自殺に手を加える偽装工作といえば、ミステリでは保険金を得るためという
のが多いだけに、新鮮ではありました。
ではでは。