AWC 「アマガミ」の心理描写   永山


        
#6248/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  10/08/27  20:18  ( 36)
「アマガミ」の心理描写   永山
★内容
 アニメ「アマガミSS」の第七話『ウラギリ』に見る心理描写。
 学校を無断欠席した棚町薫を捜すべく、橘純一は学校を抜け出す。思い当た
る場所を回る内、コンビニで橘は棚町が季節限定物の菓子に目がないことを思
い起こす。
 やがて棚町がバイト先のファミレスに顔を出していると知った橘は、くだん
の店に向かう。客として入りたいところだが、財布を見ると中身は百二十円程
度しかない。「あちゃ〜。こんなときに限って」と独り言をいって悔やむ橘。
 その内、棚町の方が気付いて、十五分ほどしてから店を出て来る。無断欠席
の理由を聞き出した橘は、棚町を励まし慰める。そして別れ際、思い出した風
に「そうだ、これやるよ」と、季節限定菓子のパウダーチョコ(二百九十円)
を渡す。
 すごく大まかなストーリーはこんなところ。
 私がうん?と引っ掛かったのは、ファミレス前で財布の中身を確認した橘の
描写です。
 橘がパウダーチョコを買ったのは、当然、コンビニに立ち寄ったときなんで
しょう。ファミレスに行ったあとだとお金が足りないし、時間的余裕もあまり
ない。
 とすると、財布を見たときに、「こんなときに限って」と思うだけでは終わ
らないんじゃないかな? 「あちゃ〜、こんなときに限って……。せめてさっ
き、コンビニでチョコ買わないでいたら」てな風に思うのが普通じゃなかろう
か。
 無論、チョコを棚町に渡す場面を劇的に見せるには、コンビニでチョコを買
ったことを明かさない方がいい。だから、財布の中身を確認した場面では、心
理描写を省略したと、好意的に捉えてあげましょう(省略は安易な方法ではあ
るけど。フェアじゃないし)。
 ただ、ここは伏線を張っていれば、よりきちんとした物が作れたと思う。た
とえば――学校にいる段階で、その日の橘の財布には四百円あまりしか入って
いないことを描写する。コンビニに立ち寄ったとき、パウダーチョコの価格が
二百九十円であることを描写。ファミレス前で財布を確認したとき、百二十円
ほどしかないことを描写――こうすれば、最後にチョコを渡す場面で、視聴者
は余計な疑問を持たずに済むし、伏線のつながる快感を味わえる、はず。

※録画もせずに、ちらちらと見ていただけなので、見落とした場面があるかも
しれません。BS11でのオンエアを確認して訂正する可能性あり。

 ではでは。お題募集中〜。





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