AWC フリー小論 『ロシアはどうなのか?』   /竹木貝石


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#11/1165 ●連載
★タイトル (GSC     )  02/04/04  07:19  ( 59)
フリー小論 『ロシアはどうなのか?』   /竹木貝石
★内容
 政治や経済のことはほとんど解らない私だが、人間社会というのは、個人も国も随分
勝手なものだと思う。
 ヨウジさんの『@コラムad』を読むまでもなく、アメリカの政策もあまり良くはな
いが、日本人にとってロシアはもっと悪いのではないだろうか?

 幕末から日露戦争の頃については、色々な文献や資料があって、諸説の別れるところ
であり、我々もある程度客観的に眺めることができる。
 しかし、第二次大戦から現在に至るソビエト及びロシアの態度について、日本人並び
に日本国は、もっとはっきり批判や主張をしなければいけない。
 改めて私などが書くまでもないこととはいえ、我々には『暗黙の了解』であっても、
声に出し文字にして強力に訴えないと、世界の人々のみならず、日本人自身が、やがて
忘れてしまうだろう。

 第二次大戦においては、日露不可侵条約があり、日本軍はそれを頼りにしていた向き
があったとか…。戦争は人間の心を無くさせてしまうから、情勢しだいで日本軍もロシ
アを侵略しなかったとは断言できないが、現実に戦いを起こし襲いかかってきたのはロ
シア軍であった。しかも、日本がさんざんにたたきのめされ、国民は空襲と原爆で生き
た心地もない、終戦わずか一週間前のことである。
 アメリカやイギリスとは4年8ヶ月、中国とは8年余も戦ってきて、やっと終わった
戦争に、ソビエトはたった一週間加わっただけである。長く戦った米英が正しかったと
か、戦争に功労のあったのが何処の国であったかとか、そんなことを言うつもりはない
が、どさくさにまぎれて勝手に乗り込み攻撃してきたソビエトが、他の連合国と同等以
上の権限を持つというのも変である。ヤルタ協定云々というのも、当時の力関係から生
じた経緯であり、日本は勿論のこと、アメリカも後々随分苦心することになる。
 日本国は無条件降伏をしたのだから何も文句は言えず、東条英機氏らが「戦争犯罪
人」として絞首刑に処せられた。アメリカはこれで面子を保てたのか、戦後の占領政策
はかなり人道的・民主的なものだった。
 それに引き替えソビエトは、多数の日本人を捕虜としてシベリア地方へ送って強制労
働をさせ、ひどい扱いと過酷な環境のゆえに、シベリアで死んだ日本人は6万人、もし
かすると40万人とも言われている。
 北方領土については、どちらの国に帰属するのが正当なのか、歴史的考察などもある
ようだが、釧路や根室から眺めると、まるで湾内に入り込んでいるらしい。戦後におけ
る領土問題の交渉や漁船の拿捕問題など、ソビエトは甚だ横暴で、わが国の要求に耳も
貸さなかった。近年の経済的力関係で多少は譲歩するようなポーズを見せてはいるもの
の、結局の所、「領土問題を餌にちらつかせながら、巧みに利益を得ようとしているだ
け」と思われても仕方がない。

 戦後50年、未だに平和条約を結べないという、大国ロシアもその程度の国なのだ。
そんな国を常識や人道主義だけで相手にしていても、到底らちがあかない。
「ロシア国家の方針は冷たく厳しいが、ロシア人個人はすこぶる善良だ!」
 と言う話をよく聞くが、私は疑わしく思っている。
 上に述べたロシアの数々の罪悪を、戦争の結果であると安易に見過ごしてはいけな
い。仮にそれらを許すとしても、今現在、ロシアの国家や国民が、謝罪や反省の気持ち
をどの程度持っているだろうか?
 第二次大戦の日本国や日本兵の悪い面は多かったが、今も我々は深く反省し後悔して
いる。
 だが、ロシアの横暴やアメリカの原爆投下を、さほど反省しているように見えないの
は何故か? 反省や後悔こそが、人間を正す最大の戒めなのに。

 第二次大戦後の日本人は喧嘩をしなくなって、それは大変良いことだが、自分の意見
や反論もしっかり言えないのは情けない。喧嘩はしなくても、自分の主張が正しけれ
ば、何度でも繰り返してはっきり訴えなければいけない。
 日本の政治家は、いかにも良識的に上手に立ち回っているつもりだろうが、日本人の
本心は、おそらく世界の人たちに通じていまい。

 私の結論として、冒頭の1行をもう一度書く。
 人間社会というのは(日本を含め)、個人も国も随分勝手なものだ。

       [2002年(平成14年)4月3日   竹木 貝石]





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