#11/1165 ●連載
★タイトル (GSC ) 02/04/04 07:19 ( 62)
フリー小論 『ロシアはどうなのか?』 /竹木貝石
★内容 02/04/04 09:02 修正 第2版
政治や経済のことはほとんど解らない私だが、人間社会というのは、個人も
国も随分勝手なものだと思う。
ヨウジさんの『@コラムad』を読むまでもなく、アメリカの政策もあまり
良くはないが、日本人にとってロシアはもっと悪いのではないだろうか?
幕末から日露戦争の頃については、色々な文献や資料があって、諸説の別れ
るところであり、我々もある程度客観的に眺めることができる。
しかし、第二次大戦から現在に至るソビエト及びロシアの態度について、
日本人並びに日本国は、もっとはっきり批判や主張をしなければいけない。
改めて私などが書くまでもないこととはいえ、我々には『暗黙の了解』で
あっても、声に出し文字にして強力に訴えないと、世界の人々のみならず、
日本人自身が、やがて忘れてしまうだろう。
第二次大戦においては、日露不可侵条約があり、日本軍はそれを頼りにして
いた向きがあったとか…。戦争は人間の心を無くさせてしまうから、情勢しだ
いで日本軍もロシアを侵略しなかったとは断言できないが、現実に戦いを起こ
し襲いかかってきたのはロシア軍であった。しかも、日本がさんざんにたたき
のめされ、国民は空襲と原爆で生きた心地もない、終戦わずか一週間前のこと
である。
アメリカやイギリスとは4年8ヶ月、中国とは8年余も戦ってきて、やっと
終わった戦争に、ソビエトはたった一週間加わっただけである。長く戦った
米英が正しかったとか、戦争に功労のあったのが何処の国であったかとか、
そんなことを言うつもりはないが、どさくさにまぎれて勝手に乗り込み攻撃し
てきたソビエトが、他の連合国と同等以上の権限を持つというのも変である。
ヤルタ協定云々というのも、当時の力関係から生じた経緯であり、日本は勿論
のこと、アメリカも後々随分苦心することになる。
日本国は無条件降伏をしたのだから何も文句は言えず、東条英機氏らが「戦
争犯罪人」として絞首刑に処せられた。アメリカはこれで面子を保てたのか、
戦後の占領政策はかなり人道的・民主的なものだった。
それに引き替えソビエトは、多数の日本人を捕虜としてシベリア地方へ送っ
て強制労働をさせ、ひどい扱いと過酷な環境のゆえに、シベリアで死んだ日本
人は6万人、もしかすると40万人とも言われている。
北方領土については、どちらの国に帰属するのが正当なのか、歴史的考察
などもあるようだが、釧路や根室から眺めると、まるで湾内に入り込んでいる
らしい。戦後における領土問題の交渉や漁船の拿捕問題など、ソビエトは甚だ
横暴で、わが国の要求に耳も貸さなかった。近年の経済的力関係で多少は譲歩
するようなポーズを見せてはいるものの、結局の所、「領土問題を餌にちらつ
かせながら、巧みに利益を得ようとしているだけ」と思われても仕方がない。
戦後50年、未だに平和条約を結べないという、大国ロシアもその程度の国
なのだ。そんな国を常識や人道主義だけで相手にしていても、到底らちがあか
ない。
「ロシア国家の方針は冷たく厳しいが、ロシア人個人はすこぶる善良だ!」
と言う話をよく聞くが、私は疑わしく思っている。
上に述べたロシアの数々の罪悪を、戦争の結果であると安易に見過ごしては
いけない。仮にそれらを許すとしても、今現在、ロシアの国家や国民が、謝罪
や反省の気持ちをどの程度持っているだろうか?
第二次大戦の日本国や日本兵の悪い面は多かったが、今も我々は深く反省し
後悔している。
だが、ロシアの横暴やアメリカの原爆投下を、さほど反省しているように見
えないのは何故か? 反省や後悔こそが、人間を正す最大の戒めなのに。
第二次大戦後の日本人は喧嘩をしなくなって、それは大変良いことだが、
自分の意見や反論もしっかり言えないのは情けない。喧嘩はしなくても、自分
の主張が正しければ、何度でも繰り返してはっきり訴えなければいけない。
日本の政治家は、いかにも良識的に上手に立ち回っているつもりだろうが、
日本人の本心は、おそらく世界の人たちに通じていまい。
私の結論として、冒頭の1行をもう一度書く。
人間社会というのは(日本を含め)、個人も国も随分勝手なものだ。
[2002年(平成14年)4月3日 竹木 貝石]