AWC 日常と狂気と猟奇(3/3)  目三笠


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#256/598 ●長編    *** コメント #255 ***
★タイトル (lig     )  05/06/07  00:12  (292)
日常と狂気と猟奇(3/3)  目三笠
★内容

every day = lunacy

 清野の遺体が発見されてからさらに四日が経つ。騒然とした世間とは裏腹に、
この下宿の空気は静けさを保っていた。
 リビングのテレビでは巫女沢の代わりに政夫が連日ニュースを眺め、新しい
情報が入ると皆に話すという日々が続いた。オーナーの御影さんは実家からの
連絡を待っているらしい。あまりにも報道陣が多いからお通夜に行くのは自粛
すべきだと釘も刺された。
 実家に電話で聞いたのか、直接行ったのかはわからないが、御影さんは「報
道陣がまるでハイエナのようだよ」と溜息を吐いていた。
 下宿から二人の人間が消えたというのに、ここの空気は前とは余り変わらな
い。もともとマイペースな人間が住んでいるだけに、他人にそれほど影響を受
けないというのが理由なのだろう。悲しんでいる者はいても何かを騒ぎ立てよ
うという者はいなかった。
 とはいえ、僕はそれでも違和感を抱いていた。
 僕も他人の干渉を受けるのは嫌いな方だ。だから、今のこの下宿の静けさは
快適と言っても過言でもないだろう。
 でも……。
 僕は引き出しにしまっておいた父さんからもらった出刃包丁を手にする。一
つだけ確認しなければならない違和感があった。
 僕は他人に干渉されるのが嫌いである。だから、他人に欺かれるのを良しと
しない。
 部屋を出てリビングに向かう。
 朝のこの時間には目的の人物はテーブルでゆったりとコーヒーでも飲んでい
るだろう。
「御影さん」
 彼女がこちらを向く。僕のただならぬ雰囲気に気付いたのか、凍り付いたよ
うな微笑を浮かべた。
「どうしたの?」
「一つ聞きたいことがあります」
「ま、座りなよ。伊丹もコーヒー飲む?」
「いりません。簡単な質問ですから」
「なに?」
 御影さんの微笑は崩れない。手強さはわかっているつもりだ。僕は深く息を
吸い込むと彼女に負けないような微笑みで問いかける。
「巫女沢はどこですか?」

     *                        *

 痛みは感じない。ただ失われていくだけ。
 最初は右腕、そして左腕。右足を切り取られ、今は左足にさしかかったとこ
ろ。
 昔、遊びで合法ドラッグに手を出したこともあったが、これはそれ以上に気
持ち良かった。脳がとろけるようで、身体は痺れているがまるで空に浮かんだ
気分。
 きっと真下には海が広がっていて自分は雲の間を飛んでいるに違いない。
 早く目隠しを外して欲しい。
 きっとそこには素晴らしい世界が待っているはず。

     *                        *

「なんの話?」
 しらばっくれるのは仕方がない。それが普通の反応だ。
「僕はね、四日前からずっと違和感を抱いているんですよ」
「違和感?」
「清野が殺されましたよね。ニュースでは連日猟奇殺人の事ばかり。世間だっ
て騒がしている。御影さん言ってましたもんね。清野の実家は報道陣に囲まれ
て、行けば無遠慮でハイエナのような記者たちのインタビューを受けるって。
ここの下宿人はそういう他人から干渉を受けることを嫌がるでしょう。だから
誰一人として行かなかったのはわかります。でもね、世間があれだけ騒然とし
ているのに、ここはあまりにも静か過ぎるんですよ。なんで警察が事情聴取に
来ないんですか? どうして報道陣が嗅ぎつけてインタビューに来ないんです
か?」
「……」
 御影さんの冷徹な微笑みは崩れない。
「簡単な理由ですよ。ここに清野智秋という人物は住んでいなかった。違いま
すか? 僕たちが清野と呼んでいたのは、清野智秋の高校時代と雰囲気が似て
いるだけの別の誰かなんですよ」
「面白いはね。だとしたら、どうして私が絵里ちゃんの場所を知っていなけれ
ばならないの?」
「この下宿に入居するには各種の身分証明が必要ですよね。バックにそれなり
の組織でもなければ精巧な偽造証など作れない。だとしたら御影さんと偽の清
野が共犯と考えるのが妥当でしょう。清野が殺され、巫女沢が行方不明になっ
た。巫女沢に罪をすべて被せるため、もしくは秘密を知ってしまった為の口封
じをした、普通はそう考えますよ」
「うふふふ」
 崩れた微笑みから漏れたのは冷笑だった。
「何がおかしいんですか?」
「例え話でもしようかしら。ダーガーの住んでいたアパートの家主は、彼が住
んでいた頃にはその才能には気付かなかった。彼が亡くなって、部屋を整理し
ていて残された作品の価値に気が付いた。でもさ、家主が最初から才能のある
人間を見いだしてアパートに住まわせてたらどうなるかしら? 身よりのない
彼らの作品を家主が独り占めするために。もちろん、相続とか難しい問題は出
てくるかもしれない。けど、自分の意志とは関係なく公開されてしまった彼の
アートは、それなりの成功を収めているのよ」
「どこが例え話なんですか?」
「だからさ、例えばある人が偽の身分証を使ってこの下宿へと入ろうとした。
でも家主はそれが偽物であることに気付きながらも、騙された振りをした」
「なぜ騙された振りをするのですか?」
「ある種の才能をそこに見つけたとしたら? それより少し前に入居した、オ
カルトマニアのかわいい女の子と同じ匂いを感じたとしたら?」
「才能?」
「人間が壊れていく……これは肉体ではなく精神的にだけど、そんな部分に魅
力を感じている者がいたとしたら」
「御影さん、あなたの方が……」
 壊れている。人間を人間として認識できていない。読み捨てられていく物語
のように、人間自体を娯楽の一つとでしか見られないのか。
「そんな怖い顔しないの。単なるジョークよ。私が今はっきり言えるのはね。
ここには清野智秋という名の人物が住んでいた。そして清野智秋は殺された。
それだけの事よ」
「それだけって」
「信じられない? だったら証拠を見せてあげようか」
 そう言って御影さんは、リビングに一番近い位置にある自分の部屋に入り、
すぐに戻ってくる。
「これはね、清野がここへ入居する時に出した身分証明の書類。個人情報保護
法とか面倒な法律があるらしいから、これを伊丹に見せた事は内緒だよ」
 クリアファイルを開いて、テーブルの上に乗せる。そこには、国民健康保険
証のコピーらしきものが挟んであった。確かに、名前は「清野智秋」となって
いる。
「でも……」
「でも、なに?」
「これじゃ、清野本人かどうかの確認は取れないんじゃありませんか?」
 写真付きの運転免許証とは違い、文字だけが印刷された保険証では本人だと
確実に確認はできないだろう。
「どうして? 保険証は本人か本人の家族以外に持てないはずよ。そういえば、
さっきどうして警察や報道がここへ来ないかって聞いてきたわよね」
「そうですよ。ここへ入居していることがわかっているのなら、誰かしら訪ね
てきてもおかしくないんですよ」
「そうね。でも、わからない場合もあるのよ」
「わからない? この情報化社会で?」
「清野は転居届けも転入届けも出していないの」
「そんな馬鹿な」
「いいえ、そんなことは普通に行われているわ。例えば伊丹が部屋をもう一つ
借りたとする。理由は荷物と置く為とか勉強に集中する為の部屋として使うと
か。そんな時、いちいち転居届けなんか出す? そりゃ仕事部屋とかだったら、
法律的にも提出しなければならない書類はあるだろうけどね」
「じゃあ、清野が周りに話さない限りここに住んでいることは」
「誰にもわからない。ここの住人でさえ、偶然が重ならない限り、清野の知り
合いにそれを話すこともない」
「でも、このまま警察に黙ってるんですか? 人一人が亡くなっているんです
よ。それも殺人で」
「だからさ、そんなに焦ることはないの。私は確認を取る為に、実家にいくつ
かの資料を置いてきたわ。それを警察が調べて、ここの住人であった清野智秋
と殺された清野智秋が同一人物だと分かれば、伊丹のお望み通りここにも警察
や報道はやってくる」
 何を企んでいるのか? それとも、自分は犯罪に関与していないからこそ、
こんなに堂々としていられるのか。いざという時は騙されてましたと答えれば
いいと思っているのか。
「さっきの例え話はどういう意味ですか?」
「意味? 単なる冗談だよ。真に受けてもしょうがないって」
「でも御影さんは清野に……」
「コピーからはわかりにくいかもしれないけど、保険証は素人の私には偽物だ
と見抜けなかったよ。単純に本物だっただけという見方が正しいのだけどね」
 その事について御影さんは嘘は吐いていないだろうだろう。でも、僕は彼女
の「騙された振りをした」という言葉が気になる。
 保険証が本物であるにも拘わらず騙された振りをする。言い換えれば、保険
証が本物なのにそれを提出した人物が偽物であることに気付いていた。
 いくつかある推測の中で一番すっきりするものを、頭の中でまとめ上げる。
 御影さんは清野を知っていたのだろう。そう、本物の清野をだ。家出をした
ことも、目の前の人物がただ雰囲気が似てるだけの別人だという事も。そして
何かを感じ取ったのかもしれない。
 ただ、ここで問題なのは御影さんが本物の清野を知っていたという状況だ。
学校や地元等での知人や顔見知りであれば、なぜ仲間内や家族に黙っていたの
か。このような事件が起きるのを事前予測していたような御影さんが、警察に
疑われるような行動は取らないだろう。だとしたら、一方的に知っていたとす
るのが無理のない推測であろう。そうなると、今の僕の持っている情報だけで
はお手上げだ。
「他に質問は? なければおしまい」
 勝ち誇ったような口調で御影さんは勝手にまとめに入る。
 理詰めするには証拠が足りなすぎた。いや、もともと犯人探しをするつもり
なんて欠片も持っていない。僕の心の中で燻っていた違和感の正体を知りたか
っただけだ。それをはっきりさせる為には、気付くのが少し遅すぎたようだ。
 例え話をジョークとしらを切るつもりなら別に構わない。僕は、僕と僕の大
切な人にさえ危害が加わらないのであれば沈黙を守るだけだ。
 これ以上ここに居ても意味はない、話を続けることを諦めて御影さんに背を
向ける。彼女ほどの策士なら、この場で僕に手をかけることもないだろう。実
は、護身の為に持ってきていた出刃包丁を使わずに済んでほっとしていた。
 リビングから出たところで、玄関脇のプレートに目が行く。
 左から『御影晴海』『巫女沢絵里』『恵美和』『伊丹なお』『稲垣林檎』
『政夫乃璃』。
 『清野智秋』のプレートは無くなっていた。すでに証拠隠滅を始めていたか。
 今となっては推測に頼るしかないが、御影さんはなんらかの形で清野に協力
をしているのだろう。
 ここに本物の清野智秋が住んでいたと偽装する為の準備として、まずは本人
の確保だろうか。監禁などをして殺さずにどこかに閉じこめる。もし、彼女が
家出した事を前もって知っていて、どこかのアパートに住み始めていたと情報
を得ていたのであれば、拉致という肯定を省くことができるかもしれない。住
み始めで周りの住人にも顔をあまり知られていないのであれば、その時点での
入れ替わりは可能かもしれない。少なくとも高校時代の写真に限定すれば雰囲
気だけは似ているのだから、大きな違和感を周りに与えることはないだろう。
あとは、素顔を見られないようにしながらそのアパートで本物を監禁しつつ必
要最低限の荷物をこちらの下宿へも運ぶ。そして時期が来たら巫女沢を連れ出
し、本物の清野智秋を殺す。そうか、巫女沢が拉致されたのは、秘密を握られ
たというよりすべての罪を彼女に擦り付けるためだろう。ここに警察の手が回
れば、自ずと巫女沢と清野が二人で行動していたことがわかる。その後、どち
らも行方不明になっている。もし、このまま巫女沢が見つからなければ、捜査
の方向としては容疑者として彼女の名前をあげるだろうか。
 御影さんが協力することで一番重要なのは、警察が来る前に偽の『清野』が
住んでいた証拠を消すということだろう。そう、例えば、手書きである清野の
プレートの始末。体液や髪の毛のついた布団はまるごと洗い、偽の指紋や髪の
毛の残る清野の部屋は念入りに掃除をする。オーナー権限を使えば容易に可能
だ。ここはアパートではなく下宿なのだから。
 清野が本物かどうかは、僕らには判断がつかない。偽物が居たという証拠は
どこにもない。巫女沢が怪しいという状況証拠から、警察がそこまで念入りに
調べるかどうかも疑問だ。
 そう、オカルトマニアの彼女の部屋からは、猟奇殺人に繋がるような資料が
わんさかと出てくるだろう。
 僕はごく自然に、犯罪者の思考をトレースしている。これが真実なのかどう
かはわからない。でも、僕は猟奇的な殺人者の考えが理解できてしまう。それ
は巫女沢のオカルト趣味とどこが違うというのだろう。その気になれば、僕は
殺人の計画から証拠隠滅までを冷静にこなすことができるだろう。
 巫女沢の『同類』と言いたげな素振りを思い出す。多分、彼女たちのような
人間は自分と同じ匂いを持つ者を嗅ぎ分けられるのかもしれない。そう、御影
さんだって。
 ただ、御影さんの例え話が本当なら、彼女は共犯者ではなく傍観者なのだ。
事件に一番近い場所にいて、一番安全な位置にいる。もちろん、僕の推測が
正しければ犯罪者であることには変わりはないが。
 御影さん、あなたはいったい……。
 いつの間にか横に居た政夫が寂しそうに呟いた。
「きっついねぇ。ちあきちゃんのプレートだけ無くなってるのも。これでえり
ちゃんまでいなくなったらものすごく寂しくなるね」

     *                        *

 五人目は巫女沢絵里。
 こいつだけは簡単に殺さない。一本ずつ丁寧に手足を切り落としていく。
 痛みを誤魔化す為に、麻酔だけではなく麻薬を手に入れた。命が尽きる最後
の一瞬まで、意識を失わせない為に。
 いや、もう罪を償わせるとか罰を与えるとか、そんな事は気にしていないの
かもしれない。ただ作品としての完成度の為にいろいろ模索しているだけなの
だから。その為に薬漬けにしているようなものだ。
 左足を切り落としたところで彼女の目隠しを取る。自分が何をされているか
薄々感づいていたようだが、直接視覚で確認すれば恐怖はさらに増していくだ
ろう。たっぷりと絶望感を味わうがいい。その表情でこの作品を完成させて欲
しい。
 だが、彼女は視界に映った相手を見て満面の笑みを浮かべていた。初めは薬
による中毒症状を起こしているのだろうと考えたが、彼女の言葉はきちんと自
我を保っているようにも思える。
「ああ、やっぱりあなただったのね。あたし覚えているよ。ううん、ちょっと
前までは確信が持てなかった。あまりにも性格が違っていたし、名前だって違
っていた。でもね、ここで春香の話をしてくれた時にあたしの中で記憶が一致
したの。妹思いで優しいあなたの事を。あたし密かに憧れてたんだよ。なんと
か気を惹こうとその妹を虐めたりしてたんだけどね。あたしがなんであなたに
憧れていたか知っている? あなたになぜ惹かれるようになったか理解できる?
あたしとあなたは同じ人間なの。闇に魅せられたあちら側の人間なの。普通に
生活しようなんて無理に決まっている。だからあたしは今夢のよう。憧れのあ
なたに、あちら側へと連れて行ってもらってるんだから……あたしを見て、あ
たしの記憶を焼き付けて、そしてあたしを切り刻んで」
 彼女は何を言っているんだ?
 いや、そうじゃない。理解できないのではなく、今までは理解したくなかっ
ただけだ。普通に生活を送る為には理解などしてはいけなかったのだ。
 でも今は違う。理解を阻む道徳も理性もすべて捨て去っている。
 あちら側へ一緒に行こうと、彼女は手招いてくれているのだ。
「おめでとう」
 どこからともなく声がする。それも聞き慣れたものだった。
 背筋に寒気が走り、声の方向へと振り返る。
「御影さん……」
「うふふふふ、いい塩梅かしら。私が狙っていた絵里ちゃんを先に手をつけた
のはちょっと許せないけど。でも、あなたたち二人で一つの作品なのね」
「どうして?」
 なぜ御影さんが当たり前のようにここにいるのだ?
「あら? 私が気付いていないとでも思ってたの?」
 あの下宿にいたのが清野智秋でないという事を見抜いていたのか。
「いつからですか?」
「最初から……と言いたいところだけど、確信をもったのは……そう、リビン
グでダーガーの話をした時かな」
「ダーガー?」
「絵里ちゃんの買った画集をみんなで見たじゃない。あの時は、今ここにいる
メンバーに伊丹が加わってたけど」
「その画集がどうしたんですか?」
「私ね、本物の清野智秋に一度だけ会ったことがあるの。ネット上でヘンリー・
ダーガーを語り合う掲示板があるんだけど、そこのオフ会で。隣の席で親しく
話したわけじゃないし、場所も暗かったからあまり記憶に残らなかった。でも
ね、最後に名刺の交換会をやったの。しばらくは忘れてたけど、下宿人の中に
名刺の名前と同じ人がいるって気付いてね。ダーガーの話をリビングでした数
日前かな。あの時、あそこに入る手前で様子を窺っていたけど、あなたは絵里
ちゃんの見ていた画集に興味を示さないばかりか、その作者の名前すら知らな
かった」
「だから偽物だと」
「同姓同名の可能性も考えたけど、あなたが持ってきた身分証明と名刺の住所
は一致したの。まったく、入れ替わりでどこまで計画してたかわからないけど、
後の詰めが荒すぎ……いえ甘過ぎよ。あの部屋に持ってきた本物の遺留品だけ
で警察が100%疑わないと思っていた?」
「オレをどうするんですか? このまま警察にでも突き出しますか?」
「うふふふ。清野智秋は死んだのよ。もう彼女の真似をすることはないわ。そ
この絵里ちゃんだって、元のあなたに戻ることを望んでいるもの」
「え?」
「言ったでしょ。あなたは私のかわいい絵里ちゃんに手を出したと。だったら
最後まで作品を完成させてくれないとね。そうでしょ、絵里ちゃん」
 御影さんはそう言って、巫女沢絵里のベッドに近づくと彼女の髪を優しく撫
でた。
「はい、晴海姉さま」
 とろんとした目つきで御影さんを見つめる巫女沢絵里。もう誰も、自分を日
常へと帰してくれる者はいない。どんなに破滅が目の前にあろうとも、逃げら
れない現実が迫ってこようとも、すでにあちら側に足を踏み入れている自分に
とっては些細な事なのかもしれない。
 だから欲望の赴くまま、精神が弾けるまま、このアートを完遂しよう。
「ねぇ、絵里。オレ……あたしの名前を覚えてる?」
「はい、夏美姉さま」

                              了




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