AWC 自然体と不自然さと   永山


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★タイトル (AZA     )  16/03/20  21:23  ( 50)
自然体と不自然さと   永山
★内容
 たまには感想を含まない書き込みを入れていきたいのですけど、思う通りになりませ
ん。今日も映像作品の感想二つ。割と両極端な感想になっています。録画じゃなくて、
生で勢いのまま見終えたら、また違ってくるのかな〜。

 日本テレビ系のアニメ「ルパン三世(2015)」第十三話を録画視聴。ネタバレ。
 おっ、前回で一区切りだったのか、今回からアイキャッチが少し変化。第一期のアニ
メにあった脱獄ネタを踏まえた内容で、楽しめた。可能な限り、ミステリとして論理的
であろうとしているのも好感が持てたです。
 ところどころ出て来るギャグシーンも、2015版ではこれまで控えめだったのに、
うまい具合にちりばめられてたかな。今までのルパンシリーズの“らしさ”を併せ持
つ、
ゴージャスな回だったと言えるんじゃないでしょうか、ある意味。

 残念だったのが、BS朝日で放送の松本清張ドラマ「黒い樹海」。
 一週間前になります、三月十三日に地上波のテレビ朝日系列で同じ原作・題名のドラ
マが放送されたばかりですが、今度のは(三月十八日再放送)一九九七年版とのことで
す。比較のためにも、録画して観てみることに。十六年という年月の差は、どのくらい
大きな違いをもたらすのか。
 勝手な思い込みで、昔作られた方がいい出来映えだろうと期待していたのですが……
案に相違して大差なしと感じました。
 先頃観た二〇一六年版に多々あった不自然な事どもが、この一九九七年版にもたくさ
んあった。加えて、演技が上手とは言えない人が結構出てるわ、ナレーションがやたら
と入るわで、リズムが悪い。大まかなアイディアは変えずに、場所や登場人物をいじる
も、何の効果を狙ったのか分からず。
 やや悪口めいてきたかもしれないので、以下は気になった点の列挙を。

・ヒロインが素人探偵として、関係者を訪ねて回りますが、その探偵方法がただただス
トレートで、普通こんなこと聞かれても答えてくれるとは思えないことが多い。ホテル
や店の人は、今では考えないくらいあっさりと個人情報を教えてくれる。

・ある出来事の起きるタイミングが、バスが次の停留所に停まる前になってたけど、そ
うした意味が分かんない。自然さを優先するなら、新たな停留所に停まってからの方が
いいに違いないのに。その一方で、偶然乗り合わせるのが二組とも訳ありカップルには
せず、片方だけにしたのは、まあまあ自然な演出になってる。

・終盤、ヒロインが犯人を呼び出して推理を突きつけるシーン。犯人ががっくりとしゃ
がみ込んでから、警察が来るまで随分と間があったけれど、その間、他の三人は犯人に
見向きもせず、話をしてる。逃げられたり、逆襲されたりは考えなかったのか? ちな
みに犯人は刃物を持ってます。

 あ、二〇一六年版の感想で書き忘れてたことを思い出した。首つり自殺に見せ掛けた
他殺で、踏み台代わりの椅子をあんな森の中まで持ち込んでいましたが、それだけで偽
装自殺を疑わないといけないレベルでしょう。その点、一九九七年版は最初から他殺
で、
すっきり(苦笑)。
 どちらとも容疑者リストは早い段階ではっきり示されるのに、その捜査が適当で、容
疑の枠をじわじわ絞り込んでいくカタルシスが全くない。序盤からほぼ、犯人に一直線
て感じになってるのは、原作が本格推理の常道を採ってないのかも。

 ではでは。





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