#6075/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (sab ) 10/04/21 21:22 ( 37)
自分探し系とひきこもり系 ぴんちょ
★内容
というのは斎藤環のモチネタではなくて、元ネタがあったんですね。
中井久夫というどっかの教授が『徴候・記憶・外傷』で似た様な事を
書いていた。それは知っていたのだがぶ厚い本だったのでよっぽど暇
になったら読もうと思っていたのです。が、何気にぐぐったらその本
には「高学歴初犯の二例」という章があってそこに「金属バット殺人事件」
について書いてあると。で、その息子の母親は和歌が趣味だったとネット
に引用してあった。私は、そっかあ、と思った。和歌を詠む様な人は
決めつけが激しいから多様な息子の感情を理解しない、それにイラだっ
てバットを振り回したのか、と思ったのです。で、確認したくなって
借りてきて読んだのですが全然そんな事は書いてなかった。それより
「二例」の内のもう一つ事件が酷かった。(事件じゃなくて中井が)。
事件のあらましはこんな感じ。
生活保護を受けていた女性(高齢か?)がケースワーカーの男にバール
の様なもので殺害された。事件の経緯は次の如く。男は女性に「働け」
と強く迫った。すると女は泣き出した。男はつい背中をさすったのだが
「性的な行為と思われるかも知れない、これをKに密告されたら自分は
事務所を首になるかも知れない」と思い、女性に他言無用を命令した。
しかし女性はKに告白してしまった。それに腹をたてた男は殺害に及んだ。
で、中井久夫はこの被害者女性の日記の分析を被告男性の弁護士から依頼
されたのだが。まずK。この女は福祉事務所に出入りしている謎の女で、
生活無能力者を見付けては新興宗教に入信させる、と同時に生活保護を
受けさせて、お布施として生活保護の金を巻き上げるという事を繰り返し
ていた。こういう女が福祉事務所に自由に出入りしていた、つーかそういう
事実を中井が日記の中から発見したかの様に書かれている。そんな事って
あり得るのか。更に中井の探偵ぶりは続く。被害者の女性は頭部に手術を
受けていたのだが、カルテ破棄のために何の手術だか不明だった、が大学病院
ではカルテ永久保存の筈で怪しい、と思った中井探偵はこの手術がロボトミー手術
であるに違いないと結論する…という事を裁判で言ったのだが検察側からは
「それはあなたの推測だ」と言われてどうのこうの。
そんな事ってあり得るのか。Kという人間がいたならば当然警察なりなんなりが
調べているだろうし。ロボトミー手術をしていれば解剖か何かで分かったの
ではないのか。或いはロボトミー手術をしているから精神科医に日記の分析を
依頼したのではないか。
もっと色々書いてあるけれども。Kというのは売春厚生施設の寮母だったとか。
そもそもこういう事を出版していいのか、何の為になるのかとも思うし。
それより、被害者女性の日記から警察も検察も分からなかった事を中井が
突き止めたみたいに書いてあるのが、おかしい。おかしいんじゃないの?