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●小説の書き方1 つきかげ
(155行)
「小説の書き方を、教えてください」
彼女は、入ってくるなりそう言った。灰色のジャケットに空色のブラウスと
いう、うちの学校の中等部の制服を着ている。
ただ、彼女が普通の中等部の生徒と異なるのは、黄昏の太陽みたいに黄金色
◆●長編 #0316 2008/02/19
●小説の書き方2 つきかげ
( 80行)
クレアが再び僕のところへ来たのは、その翌日の同じくらいの時間帯だ。秋
の陽が傾き西の空が黄金色に輝いて、部室が紅い光りに満ちたころ黄昏時の影
に身を包んだクレアが現れた。
◆●長編 #0317 2008/02/19
●小説の書き方3 つきかげ
( 81行)
既に日は落ち、夕闇がより深くあたりを満たしている。クレアの小説を読み
切ってしまったが、思ったより下校時間が遅くなってしまった。あいにく夜に
なるとともに天気も崩れてきており、僕は冷たい雨が幾万もの刃となって降り
◆●長編 #0318 2008/02/19
●小説の書き方4 つきかげ
(130行)
翌日の放課後。僕は全てが夢の中の出来事であったと思い始めたころ。クレ
アは再び僕の前へ、現れた。昨日出会った白衣の少女と同じ神秘的な美貌に、
無邪気な笑みを浮かべながら。
◆●長編 #0319 2008/02/19
●小説の書き方5 つきかげ
(161行)
気がつくと、僕は黙示禄に語られる風景の中にいた。
空を覆っているのは、雲というより巨大な粘塊の群れのようにみえる。それ
は、血のように赤い海を渡ってゆく巨鯨の群れにも似ていた。
◆●長編 #0320 2008/02/19
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