AWC 流行歌(はやりうた) 談知(KEKE)


        
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★タイトル (KXM     )  00/ 2/ 9   9: 5  (101)
流行歌(はやりうた)                        談知(KEKE)
★内容
流行歌(はやりうた)  談知(KEKE)
 ひとは、十代なかばから二十代はじめにかけて聴いた歌が、
そのひとの一生の歌になるという説があるが、それはたぶん正
しいのだろう。それは生理的にいってもうなずける話だ。その
頃の年代が一番記憶力がすぐれている。そのとき聴いた歌は、
記憶にしっかり焼きこまれ、一生忘れない。それに対して、4
5歳の私が最近聴く歌は、なかなか覚えられないし、覚えても
すぐ忘れる。これでは、一生歌い続けるような歌になるはずは
ない。
 一生の歌かどうかはともかく、私がその頃聴いて覚えている
歌とはどんな歌だろう。おおざっぱにいえば、フォーク、演歌、
歌謡曲ということになるだろうか。
 始まりは、舟木一夫、西郷輝彦、三田明の、御三家あたりだ
ろうか。それ以前の、春日八郎、フランク永井、三橋美智也、
といったあたりは、ひょっとして小学生のころ聴いていたかも
しれないが、リアルタイムで聴いたという意識はない。昔有名
だったひとという感じが、私にはあるのではずしてもいいだろ
う。
 さて、舟木たちも、けっこう古い。私の、十代なかばという
範囲にはあてはまらないと思うが、印象に残っている歌手なの
で、やはりはずせないなと思う。「高校三年生」、ある日本の
歌ベスト100という企画で、ナンバーワンになった曲である。 
確かにいい曲だと思うが、今日ではなんとなく古くさく感じる
のは、いかんともしがたい。具体的に歌詞を引用すると、著作
権違反になるかもしれないからできないが、なにか戦前から戦
後10年くらいの高校の雰囲気な感じだ。今日の高校は、もっ
と殺伐としているかさばさばしているか、いずれにせよ、この
歌詞から感じるようなほのぼの感はないのではないか。これを
学校ものの歌とするなら、私なら、森昌子の「中学三年生」を
取りたい。あれも名曲だった。
 私たちの世代の歌で、どうしてもさけて通れないのが、GS、
グループサウンズとフォークだろう。タイガース、スパイダー
ス、テンプターズ、ワイルドワンズ、今でも思い出す、あの熱
狂、あの馬鹿騒ぎ。タイガースの「青い鳥」とか「廃墟の鳩」
なんか、しみじみとした名曲だったと思うのだが、今日ではも
う忘れ去られているみたいだ。今の若いひとは、太った沢田研
二の姿でしかタイガースという名前を思い出さないだろう。で
も当時は沢田もタイガースもかっこよかった。光っていた。
 フォーク。正直言って、今でも一番好きな歌がフォークなの
だ。私の青春はフォークとともにあったといっても過言ではな
い。フォークのあとにきたニューミュージックとなると、もう
おじさんはついていけんのだよ。フォークといえば、やっぱり
吉田拓郎である。そりゃ関西フォークとか岡林とか、始まりは
いろいろあるだろうが、私が注目して一番聴いたのが拓郎であ
る。今ATOKでたくろうと打ったら、拓郎がでてこなかった
ので登録した。うーん、こんなもんか。昔だったら当然辞書に
ははいっていたろうに。
 「旅の宿」「結婚しようよ」などヒット曲を連発していたソ
ニー時代もいいし、フォーライフレコードを作って、ばりばり
活躍していたころもいい。初期中期のCDはほとんど持ってい
る。いいなあ、なんか私の感性とぴったりあうんだわ。私は時
には、彼の曲をなぞっていきていたような時もあった。生き方
が拓郎風、というか、正確には拓郎の歌ふうになっていたとき
もあった。「落陽」という曲のなかに「苫小牧発仙台行きフェ
リー」に乗って旅するというような歌詞があるのだが、そのと
おり旅してみたこともある。ようするに、拓郎的な生き方が、
私にぴったりあっていたということだろう。 井上陽水、かぐ
や姫、いろいろ思い出すなあ。かぐや姫の「神田川」しょんべ
んくさい三畳の下宿、小さなせっけんかたかたさせて銭湯にい
く、とか。いかにもあの時代だなあ。今時の学生は、ワンルー
ムマンションに住んでいたり、けっこうリッチだったりするん
だろうな。銭湯なんてもの、生まれて一回も入ったことない、
なんてひとがほとんどだったりする時代だ。
 私は演歌もけっこう好きだったりするのだ。いかにも情けな
い、うらみつらみの、下降指向の、マイナスシンキングの、ど
うしようもない歌と評価がさだまった感じの演歌だが、なんか
私とあうのだね。そもそも、ポジティブな明るい歌だけがいい
歌なのか。アメリカのブルースはどうだ。あれなんかもいって
みればアメリカの演歌じゃないか。情けなく暗い歌だろ、ブルー
スって。ひとは、人生に悩み苦しみ挫折したとき、明るいポジ
ティブな歌を聴いてられるか。そんな歌になぐさめられるだろ
うか。マイナス思考も下降指向も、ひとがひととしてもってい
る本性だ。プラスもマイナスもあっての人間じゃないか。片方
だけというのは、どうにもまずいし、けっしてひとを幸せには
しないだろう。
 演歌歌手も多士済々だが、ふたりあげるとしたら、五木ひろ
しと八代亜紀だな。演歌はこのふたりにつきる。五木の「よこ
はま・たそがれ」をはじめとする演歌は、いずれも私のこころ
に食い入ってくる。寺山修司が作詞した「浜昼顔」は隠れた名
曲である。八代亜紀は、いかにも水商売風な顔といい、もうど
おしようもなく演歌という雰囲気だ。「忍び恋」を始めいい曲
がならんでいる。
 歌謡曲で印象に残っているのは、やっぱり山口百恵かな。山
口百恵は菩薩である。という本を書いたのは、平岡正明という
ひとだが、間違いなく時代を作ったスターだった。
 これ以降、あんまり歌というものが印象に残らなくなった。 
ニューミュージックとなったフォークももはや私の関心をそそ
らなくなったし、演歌も廃れた。歌謡曲でも、松田聖子とか中
森あきなとか、いろいろでてきたが、いまいち私の関心をひく
こともなかった。
 私の歌の時代は、そのあたりでつきたようである。こんにち
家で聴くのもカラオケで歌うのも、あの時代の曲ばかりだ。新
しい歌は覚えられないし、覚えようとも思わない。私はあの時
代の歌で十分である。これからもあの時代の歌とともに、人生
を過ごしていくのだろう。それでけっこうである。




談知(KEKE)  EmBiglobe 2.04





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