AWC AWCで起こったいろんなできごと(1)  ゐんば


        
#6654/7701 連載
★タイトル (GVB     )  98/ 8/20   1:27  (128)
AWCで起こったいろんなできごと(1)  ゐんば
★内容

 この連載は、AWCという名のパソコン通信上の集団で何があったかとだらだ
らと書き連ねてゆくものである。
 なんでこんなことを書こうと思ったかというと、物書きとしてこんな面白いネ
タをほっとく手はないと思ったからである。ただ一つ非常にやりにくいことがあ
って、私はこのAWCの現職のSIGOPなのである。
 SIGOPといえば要するにそのSIGの代表である。体制側の書いた歴史っ
つーのは今一鼻持ちならない。かといってこれを書くためにOPをやめるのもお
ばかである。
 てなわけで、これを読む人は眉に唾つけて読むよろし。

●1986年

【4月・PC−VAN試行サービス開始】
 PC−VANといえば、NiftyServeと並び称される日本のパソコン
通信ネットの雄である。とPC−VANの会員は言っているが、Niftyの会
員は別にそうは思ってないようである。
 そのPC−VANにも黎明期があった。
 試行と言うことで一年間は無料であった。モデムのスピードが300bpsだ
った頃である(決して桁を間違えてはいないので念のため……)。
 PC−VANの中にはSIG(Special Interest Group)と呼ばれる特定のテー
マを扱うコーナーがいくつか設置された。その中の一つとして、文芸作品の発表
の場であるアマチュアライターズクラブ(AWC)が発足することになる。

【9月・AWC発足】
 AWCが出来たのがいつのことかははっきりしない。しかし、現存する最古の
資料によればこの年の9月にはどうやらできていたらしい。
 各SIGにはフォーラムと呼ばれる掲示板コーナーが設けられた。設立時AW
Cのフォーラムは2つのボードからなっていた。

   1.フレッシュボイス 2.CFM「空中分解」

 フレッシュボイスは今もその名を残すAWCの感想・雑談ボード。この「フレ
ッシュボイス」という名前はサラブレッドの名前からとったという説が濃厚だが、
真相はわかっていない。
 現在でもAWCの作品集に「空中分解」の名が付いているとおり、CFM「空
中分解」がこれから長年にわたって数々の名作・迷作を生み出す発端となった作
品ボードである。
 空中分解の記念すべき第一号の書き込みはこのようなものであった。

@引用開始@
$1/50 CFM「空中分解」
★タイトル (EJG24363)  86/ 9/28  22:54  (  0)
クウチュウブンカイトハ ナンゾヤ ワカラナイデスネ-         zGP MAKI   (T O)
@引用終了@

 私もわからない。
 さて、いきなりタイトルオンリーで始まった空中分解だが、第一号の作品はさ
さきさんの「とんぼの死」。この年にはAWC唯一のオール半角カナ作品、ヤギ
ユウスケさん(後のFon.さん)の「J.J」がアップされている。そう。ま
だ漢字の出ないコンピュータが当たり前のようにあった時代なのだ。
 初代SIGOPはCOTTONさん。当時まだ高校生だった。

●1987年

【7月・リレー小説開始】
 PC−VANの有料化にもめげず、初めてのリレー小説が始まった。このとき
のルールは2チームに分かれて1回目のみ共通であとは別々にストーリーを展開
させてゆく、文字通りリレー競走であった。
 ちなみに、Aチームの方は完走したがBチームの方は翌年まで続いてもまだ終
わらず、未だに終わってない。その間にAチームはとっとと「新リレー」を開始
して周回遅れになってしまった。

【8月・K&D大賞開催】
 次々とイベントが催され、8月には第1回の「K&D大賞」が開かれた。
「K&D」がどういう意味かはわかっている。「きゃーかーいー&どついたろか」
の略である(ほんとにそうなんだから仕方ないじゃないか……)。ばかみたいで
あほらしくて、意味不明でかわいくて、とにかく受けた作品というのが選考基準
である。
 K&D大賞は応募による候補作の中から、感想鬼の異名をとったコスモパンダ
さんが審査員となって大賞その他を決めた。
 伝説によればコスモパンダさんはログファイルの作者名を消してプリントアウ
トし、公正な審査にあたったと聞く。
 第1回の受賞作品は以下の通り。

大賞: 「地図にない街」           海住 信太郎
入選: 「第二次世界大戦」          クエスト
    「真夜中のPHONE CALL」   MACK(夢野規志)
佳作: 「ハワイからHOW ARE YOU」 クエスト
特別賞:「つ・ば・さ・が・・・」       COLOR
秋本賞:「叫びのICE TEA」       秋本

 ちなみにこの年、のちに恒例行事となるAWC大賞の第1回が開催されている
はずなのだが記録が残っておらず、受賞作は不明である。

●1988年

【6月・八重洲OFF】
 現在確認されている最古のOFFの記録がCOLORさんによって記されてい
る。これ以前にOFFがあったのかなかったのかは定かではない。
 OFFっつーのはオフラインミーティングの略で、パソコン通信で知り合った
メンバーが直接顔を合わせることである。
 しかし、この記録では「OFF」という言葉はまだ使われておらず、「集会」
「お茶会」等汎用的な表現が使われている。
 この席上、SIGOPのCOTTONさんのアメリカ留学宣言があったらしい。

【夏頃・クエスト氏SIGOP代行就任】
 SIGOPのCOTTONさんがアメリカに留学することになり、クエスト氏
がSIGOP代行に就任した。
 また、SIGOPを補助するSUBOPとしておうざきさん、らんなさん(後
の洛井忍さん)が就任したのもこの頃らしい。
 私事ですがこの年の12月、私ゐんばがAWCデビュゥ!てなわけでここから
先はあまりいい加減なことは書けない。

 この年のAWC大賞は以下の通り。

大賞   コスモパンダ  APPLE COMPLEX  巨人達の憂欝
短編部門 秋本      春雨の中の美幸
長編部門 コスモパンダ  APPLE COMPLEX  巨人達の憂欝
文芸部門 秋本      秋本骨つぎ堂の逆襲
     らんな     随筆・時のセレモニー
     コスモパンダ  <コスモパンダの人物百景>第一回 山男

●1989年
【5月・新ボード「AWCの本」出版局設立】
 物書きはやはり自分の作品を本にしたがるもの。
 AWCでもいよいよ活字化の動きが高まってきて、AWCの作品集の出版が計
画された。しかし、計画はなかなか進まなかった。本作りに必要なノウハウが不
足している以上に、全国に散らばったメンバーが通信回線のみにたよって打ち合
わせをすることの難しさがあった。
 そこで出版の意見交換のため、従来2ボード体制でやってきたAWCに専用の
新ボード『「AWCの本」出版局』が設立された。
 イラストは漫画同人「ばかぢから」の全面的協力を得た。印刷所をどこにする
か、サイズをどうするか、何部刷るのかなどの問題も一つ一つ解決し、本づくり
も軌道に乗ってきた。このとき、行く手にAWC最大の事件が待ちかまえていよ
うとは誰も気がついてなかったのである。

               思いっきりあざとい引き方で次回に続く




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