#964/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (YHB ) 88/ 4/ 8 19:13 ( 23)
バレンタイン・ベタ−・ハ−フ(5) COTTEN
★内容
村上君、チョコの方を見て慌てて言う。
「ごめん。あまりにもずうずうしかった。誰か他の奴にあげるつもりだったんだろ?
ごめん。俺があんな事いったから・・・。これ食べちゃったけど・・・。」
食べかけのチョコを慌てて包みなおす。
おもわず苦笑。
優しいね。でも誰かにあげようとして振られたのかもしれないんだよ。
「いいの。ほんとになんでもないんだから。むしろそんなに喜んでくれてうれしい。」
「ほんとに?」
「うん。ちょっとはしゃぎすぎの感はあるけどね。さ、もっとどうぞ。」
「ありがと・・・じゃ、もう一口。」
本当においしそうにチョコを頬張っている村上君。あたしは頬杖をついてそんな彼を
暖かい気持ちで見守っていた。
今から考えるとなぜか自分で食べてしまうって事は一度も思わなかったんだよね。不
思議な事に。でも今つくづく自分で食べてしまわなくて良かったなって思う。
美知に乾杯! バレンタインに想いを寄せる乙女たちに乾杯!
こんな気持ちになれるのなら、ちょっぴり、ほんのちょっぴりだけどもバレンタイン
もいいものかなぁなんて思う。
あたしの未来に乾杯!
今年こそ、今年こそ、心から夢中になれる人。
みつけるぞっ、あたしの半分。
<<Fin.>>