AWC  ある日常 (RE:「真夏の夜の夢」)    友岸 誠


        
#380/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (BMD     )  87/10/ 7   6:29  ( 90)
 ある日常 (RE:「真夏の夜の夢」)    友岸 誠
★内容
* ある小学生の作文 *
ョ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「イ
ャい か   た ろ   で   で   と っ 罪  イ先 く      ャ
ャい 無 こ く し ぼ し と て 教 教 て も こ 生 に 今   げャ
ャと く ん あ い く た っ ま 科 え い な の は つ 日   んャ
ャ思 な な り ば は   て し 書 て っ い ば   い     ばャ
ャい っ ば ま く こ   も た に く た 人 く   て 学 五 くャ
ャま て く せ だ ん   こ   そ れ ん の だ   習 校 年 のャ
ャす し だ ん ん な   わ   の ま だ 命 ん   い で   こャ
ャ  ま ん   で に   い   写 し よ を は   ま げ 山 とャ
ャ  え な   死 お   写   真 たカ  う 何   し ん 本  ャ
ャ  ば ん   に そ   真   が     ば の   た ば 治  ャ
カ「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「コ


* 朝の風景 *

「・タン・タン・タン・」
 治が階段を降りてくる。秋も深まり少々肌寒い日が続くがまだ子供は元気である。
ちょうど6時半、治がサッカーの朝練を始めたため早く起きなければならない母親は
それでも結構楽しそうであった。今日もいつもと変わらない日が始まるのだ。
「おかあさん、ご飯まだ?、遅刻しちゃうよ」
「はいはい、ちょっとまっててね」
 母親は急いでご飯をよそる。最近ご飯の減りかたが激しい。息子も成長期に入ったの
かな、と母親は内心嬉しく感じている。
「おかあさん、昨日学校で作文ほめられたんだよ」
ご飯を食べながら治が言った。
「へぇ〜すごいじゃない、どんなの書いたの? おかあさんにも教えてよ」
「まだ返してもらってないから後でね、あ、もう行かなきゃ」
「車に気をつけてね」
「うん、いってきまーすっ」
治が家から飛び出す、普段と変わらない朝


* 夜の光景 *

それは突然だった。アニメを見ていた治が母親を呼んだ。
「おかあさん。ニュース速報だよ」
母親が台所から気の無い返事をする。
「へー、で なんだって?」
「えーと、中近東とかいう所で核が使用されたんだって」
治はなんでもないように言った。
「核? 核って・・・まさか」
「あ、アニメが終わっちゃった。まだ途中なのにぃ」
母親は台所仕事を中断してテレビによってきた。

 テレビにアナウンサーが映った。だいぶテレビ局も慌てているらしい。
「番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお送り致します。日本時間の午後7時A国
から打ち出された数発の核ミサイルが中近東の国を襲いました。A国の声明文によりま
すと、
 『中近東で全世界的な戦争を始めようとする計画を中近東のある国家が進めており
我々はこの計画を未然に防ぐため、あえて核を使用した』とあります。
 これに対してのS国政府は『ノー・コメント』の姿勢を通しております。
しかし、S国から新しい核が打ち出された様子はなく、どうやら全面核戦争の危険は
まだ無いと言っていいでしょう。
 この件に関して日本政府は静観の構えを見せています。

あ、ちょっとまって下さい。日本政府からの声明があるそうです。記者クラブの前田
さーん、聞こえますか?」
「はい、記者クラブの前田です。これより首相の記者会見があります。あ、始まった
ようです。

 『平和を愛する我々にとって、使ってはならない核を使用した事は強い怒りを感じて
おります。誠に遺憾であります。そしてこれ以上の被害を出さぬため、我が国ではS国
に働きかけ新しい核を打ち出さないように申し入れました。その結果、A国、S国共に
これ以上の核の行使は控えるとの返答がありました。第3次世界大戦の危機は避けられ
たのです。したがって日本としては事態を静観していく積もりであります』

 これで、記者クラブからカメラを戻します、スタジオの宮本さん。」

 はい、ただいま、新しいニュースが入って来ました。中近東の被害は死者5千人前後
とみらけています。繰り返します、中近東の死者は5千人前後とみられています。
 我々 サンTVはこの事件を追って放送します。それではCMの後、何故、今回のよ
うな事件が起こったのか、事件のドキュメントを放送致します。チャンネルはこのまま
でいてください。CMです。」

 TVにカップラーメンのCMが映っている。母親は「ほっ」と息をついた。
「治、良かったね、こっちには核は落ちてこないんだって」
「うん、あぁ怖かった。僕まだ死にたくないもん。 あ、もう寝るね。明日も朝練があ
るから」
 治は2階へ上って行った。そしてまた、いつもと変わらない日常が始まる。全て何事
も無かったかのように・・・

   《 終 わ り 》
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 夢野 規志さんの「真夏の夜の夢」に強い衝撃を受けてこれを書きました。
勝手に「RE:真夏の夜の夢」なんてつけてすいませんでした。

読んでくださった方、ごめんどうでも感想をお願いいたします。
                         BY 友岸 誠




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