AWC She's ゴリの書き込み ぴんちょ


        
#712/1159 ●連載    *** コメント #711 ***
★タイトル (sab     )  09/04/08  03:09  (104)
She's ゴリの書き込み ぴんちょ
★内容
[泥酔ゴリ]
いやいやなかなか興味深い書き込みを読ませてもらってます。
今夜も酔っていますが。
でもちゃんとタイプできますんで大丈夫。
それでちょっと思うところがありましたので述べさせていただきます。
ピンチョテアーナさん(はじめまして)って何か教師にしろ医者にしろ
風俗店経営者にしろ何かの方法、例えば心理学だの医学だの売春婦取扱術
などを極めているから当事者性があると思っているでしょうか。でも例えば
患者は体温計を恐れたり尊敬したりはしないでしょう。患者が恐れているのは
医学をふりかざしている医者の気まぐれなんですよ。小学生が恐れているのは
心理学だのなんだのではなくて、そういう方法をふりかざしている教師の気まぐれ
なんです。逆に言えばここにいらっしゃる小学校教師の当事者性を担保しているのは
生徒の怯えなんですけどね。
怯えた子供は母親になぐられると自分が悪いと思うんですよ。そう思わないと
母親がほんの気まぐれから殴った事になるでしょう。母親がそんないい加減な存在
じゃあ困るから取りあえず自分が悪いと思うんです。
(やっぱり酔っているのかな)。何を言いたいのかというと。そうそう。
「異邦人」って読んだ事ありますか? カミュの名作です。主人公はムルソー
という男で何よりも公正を望む。彼はちょっとした喧嘩からアラブ人を殺して
死刑判決を受ける。そして拘置所の中で古新聞を発見するんです。そこにはチェコ
のある男の話が載っていた。その男は金儲けをしようと村を出て25年後に金持
になって妻子を連れて戻ってくるんです。彼は妻子を別のホテルへ泊めて、
一人で母の家へ行くんですが母は我が子と気が付かない。ちょっと驚かせてやろうと
思って部屋を借りると大金を見せびらかすんです。夜中に母と妹は男をハンマーで
殺して金を盗み死体を川に捨てた。翌朝妻が来て夫の身分を明かす。母親は首を吊り
妹は井戸へ身を投げた。ここでムルソー思うんです。「人をおちょくったりするもの
じゃない」と。ことほど左様に公正を望むのがムルソーですから彼は自分の死刑が
恩赦で中止になるなんて事は望まないんですね。そんな事が起こるんだったらそも
そも最初の裁判だって適当だったんじゃないかと思えてくるでしょう。だから裁判が
正当だったためには喜んで死刑になるしかなかったんです。
だから(無理矢理話を元に戻せば)給食を食べる小学生も同じ心持ちですよ。
自分だけ食べなくていいとなればそもそも学校なり教師なり母親なりがどうでもいい
いい加減なものになってしまう。それじゃあ困るからどんなに辛くても食べるしかな
い。
医者でも裁判官でも司祭でも教師でも同じですよ。生徒が恐れているのは科学的法則
(例えば心理学)などではなくて、それをふりかざす教師の気まぐれです。だから
教師の教育現場でのリアリティを担保しているのは生徒の怯えなんです。(酔って
きたかなあ。話が回ってきた)。
ところで私、薬剤師なんですけどね。私も教師や裁判官のように何か普遍的なものを
得てきたと思っていましたよ。それは宗教家の経典みたいなもので、経典に詳し
ければ一般信者よりも高みにいるという感覚。
より即物的に言うならば実験動物の扱いに詳しい。薬剤師として、実験動物が可哀想
なんていう奴はあまちゃんだと思っていました。しかしそういう事を続けている内に
なんかおかしいなあと気が付く事がある。でも否定はしないんです。今までの自分を
否定する事になるから。だから、自分達は残酷な事はしていない、残酷であっても
人の為に仕方のないことだ、可哀想と思う人間の心に問題がある、そうやって薬学
という経典にしがみついていた。なんでだろう。(俺も酔うとくどくなるな。
まああと少し)。
そうそう思い出した。日本人って著作権は守って当たり前、中国や韓国のコピー商品
は知的所有権を犯す許されない行為と思っているでしょう。そんな事思っているのは
日本人だけですよ。一部の西洋人はこう考えています。何故先進国の一部の企業が
利益独占するのかと。医薬品の世界でも同じようなことがあったんです。
先進国の製薬会社が自社の利益を守る為にインドの会社がジェネリック医薬品を
作れないようにしたんですよ。これで途上国のAIDS患者が何十万人も死ぬ事
になる。わたしゃ別にアフリカ人が何人死のうが自分の給料が上がればいいと
思っていました。しかし我とわが身を省みず国境なき医師団(ジェネリック医薬品
を使って途上国で活動している団体です)の活動を積極的に応援する同僚がいたん
ですよ。女性ですけれどもね。なんでそんな事が出来るんだろうと思いました。
金とかじゃなくて自分が学んできた薬学(一種の経典ですよ)を捨ててまで正しい
と思ったことが出来るのは何故なんだろう。逆になんで大部分の日本の
製薬関係者は既得権益にしがみついているんだろう。彼女はクリスチャン
だったんですよ。彼女曰く。自己の問題はキリスト教で考えているから職業を
失ったところで自己は大丈夫。あなたこそ自己がないから職業にしがみついて
いるんじゃないの? 職業が人格に食い込んでいる。…そっかあ。国境なき医師団
に限らずグリーンピースでもリナックスでも、そういうものが西洋人から出て
来るのは彼らは自己の問題は宗教で片付けているからなんじゃないのか。日本人
には宗教がないから異様に職業にしがみつき最後は玉砕する。宗教に限りませんけど
ね。例えば宮沢賢治の手帳(雨にも負けず、ってやつ)とか高野悦子の日記なんかも
そうかも知れない。宮沢賢治が自分の農業指導が良くないと分かっていてもしがみ
つくとは思えないでしょう。手帳をもっているからだよ。

ビールを飲み飲み下図を作成しました。

法律→(解釈)→裁判官→(伝達)→被告

最初は私はこう思っていたんですよ。法律という原理に近づけば近づく程当事者性は
高くなり、ムルソーなどは最下層の被告人であると。


 しがみつき
法律<==裁判官
↓    ↑大
↓    ↑当事者性
↓疎   ↑
↓外   ↑【怯え】
↓    ↑
↓    ↑当事者性
↓    ↑小
被告・被告
被告・被告

ところが実際はこういう構造なんじゃなかろうか。自己のない裁判官が法律に
しがみつく。そして法律をふりかざして被告人ムルソーを疎外する。ムルソーは
裁判官の気まぐれを恐れている。

だけれども、もし裁判官が「宮沢賢治の手帳」を持っていれば法律にしがみ
つかないで法律を変えることが出来る。もしムルソーが「宮沢賢治の手帳」
をもっていれば裁判官に怯えないですむ。
俺の言っている事分かるかなあ。分からないだろうなあ。
酔いがさめたら消したくなるかも知れないな。

つづく。






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