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★タイトル (AZA ) 10/09/24 21:27 ( 18)
本の感想>『密室から黒猫を取り出す方法』 永山
★内容
・『密室から黒猫を取り出す方法』(北山猛邦 東京創元社)16/6451
憎い上司を計画通り、自殺に見せ掛けて殺し、密室を完成させて現場を離れ
ようとした刹那、黒猫が入り込んでしまった。下手すると、完全犯罪が崩れか
ねないが、もはや密室を開けることはかなわず……(表題作)。往来からロッ
ジの中を覗くと、男がテレビに飲み込まれるシーンを目撃? その後、当の男
は死体となって見付かり、しかも片腕を切断されていた(「人喰いテレビ」)。
殺人計画者の兄弟は、待望の停電に歓喜した。暗視眼鏡やパソコンなどを駆使
して、完全犯罪を目論むが(「停電から夜明けまで」)。
世界一気弱な名探偵・音野順シリーズ、第二弾。
前の短編集に比べると、パワーダウンを感じました。いや、とほほ度は上が
っているのですが、あまりにもとほほで、ちょっと付いていけないなと。
で、そんな風に油断したところへ、おおっと唸らされたのが「停電から夜明
けまで」。この作品の趣向は素晴らしい。斬新で、もしもこの趣向の類似型が
量産されるようになれば、墓標的作品になるかも(量産されることがないと思
うが)。これだけでも読む価値があるはず。
ではでは。