#4615/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ *** コメント #4609 ***
★タイトル (mor ) 07/11/15 12:15 ( 17)
東野圭吾作品・守屋>ドルフィンさん
★内容
短編集ならば、笑えるものとして「名探偵の掟」。ミステリのお約束を逆手に取って
笑おうという連作です。2時間ドラマもネタにされていますので、ディープなミステリフ
ァンじゃない、という読者にもとっつきやすいのではないでしょうか。
泣ける話としては、映画化された「秘密」、「手紙」。トリックがどうしたこうした
の話ではありませんから、そのつもりで。「トキオ」(文庫化されたタイトルは「時
生」)も、青春小説めいていて、読みやすいでしょう。
ミステリで、かつ読後ほろりとしたいときには「嘘をもうひとつだけ」。短編集です
が、どの話も犯罪の虚しさが漂います。
自分的ベストは、ドラマ化もされた「白夜行」。重い話です。また、ドラマとは主人
公たちの描き方がまったく違うので、それなりに構えて読まなければ気分が悪くなるか
も。「幻夜」もそのノリですね。
読後感が悪すぎますが、犯罪を許したくないという作者の本音が伝わってきます。そ
の点、殺人犯が許されて生き延びるというパターンばかりを書いている石持浅海とは、
向き合い方が違います。