#2814/3775 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 23/10/07 17:53 ( 24)
推理は水利 永山
★内容
映画「名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊」(米国 2023)を映画館で鑑賞。ネタバ
レ注意です。
原作はアガサ・クリスティの「ハロウィーン・パーティ」だそうです。“だそうです
”と伝聞型を使いたくなるくらい、別物に仕上げています。
まず舞台がベネチアになっているところで、既に大違い。時代は一九四七年と戦後ま
だそんなに時間が経ってない。けれども、作中にそういった匂いはあまり漂っていなか
った。全然という訳ではなし、軽く扱われている訳でもないんですけど、本筋に多きく
関わらせることはせず、物語の背景・スパイスになっている。
一方、ミステリとしてのスパイスは、タイトルにも入っているように、亡霊。要はホ
ラーですね。あんまりクリスティらしくないといえばそうなんだけど、怪奇趣味あふれ
る演出をこれでもかと重ねて、雰囲気を作り上げている。特に、大きくて短い音を突然
どん!と鳴らして驚かせると言う初歩中の初歩のやり口を、次々に投入してきて、初歩
なのにこの物量作戦にはさすがに心構えができていないと、ビクッとなっちゃう。(^^;
そんなホラー要素を含めて、一応、理屈を通して解決に導いていくのはやはりクリス
ティ作品を素にしていることを忘れていないなと、安心させられたです。まあ、私も含
めて何割かのミステリ好きの観客は、最後には理に適った解決が示されるはずだと信じ
て疑わなかったでしょうけど……おかげで前半のホラーのくだり、たまに眠くなってし
まった(汗)。
欠点を挙げるとしたら、と言うよりも、欠点と言っていいのは、密室トリックの種明
かしだな〜。あれは拍子抜けもいいところだった。あの解決を持って来るくらいなら、
まだオーソドックスかつ手垢の付いたパターンでいいから、真っ当に解き明かして欲し
かった。鍵のすり替えとかね。
ではでは。