長編 #2534の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
焼け落ち、解体の進んだ店の跡地で、家族ははじめてそろいあった。 青空のきれいな、日曜のことだった。 「傷跡が痛々しいね」 親父が子供達の火傷を見つめながら、呟いた。 傷をおっていないのは親父だけだから、心配するのもしかたがない。 おもむろに立ち上がり、親父はいった。 「今の家を売り払う。そして、そのお金で、ここに店付きの家を建てます」 いつもの親父とは思えない、高らかな声だった。 あれ以来少しやつれた弥生さんを、親父は見つめた。 「そこに……、一緒に住んでいいですか」 二人は見つめあった。 そして、弥生さんの瞳から、涙がこぼれ落ちた。 「子供以外の、全てを失った女です。こんな女でも、いいのですか?」 静かな涙が、地に落ちる。 「あなただから、いいのです」 親父、よくいった、と悟は心の中で叫んだ。 「どうぞ……宜しくお願いします」 弥生さんは消え入るように、呟いた。 親父は今度は、子供達の方に向きなおった。 「子供達はどうでしょうか。反対の人が一人でもいるかぎり、私達は結婚しない つもりです。ただし、家はちゃんと建てます」 水香、海、華歩、果菜、加羅、火斗、そして悟は、静かに親父を見つめた。 「反対の人は手をあげて下さい」 親父の声が厳然と響いた。 悟は見るのが恐くて、目をつぶった。 手だけは、死んでも挙げるつもりはなかった。 沈黙の時が過ぎる。 そして、父親が呟いた。 「誰もいませんね。じゃあ、これから一生、宜しくお願いします」 その言葉が静かに胸にしみわたった。 目を開ける。 そこには、家族になった八人の笑顔が広がっていた。 「家族になりたい」 終わり written by 榊京夜 main cast 悟 <サトル > 水香 <スイカ > cast 海 <カイ > 華歩 <カホ > 果菜 <カナ > 加羅 <カラ > 火斗 <カト > 弥生 <ヤヨイ > 親父 <オヤジ> 磐田 <イワタ > music "Blue Gray" Miwa Hayakawa 無伴奏チェロ曲 J.S.BACH ...and, I am looking forward to seeing you again. Thanx. ---- 後書き ---- 自分の家でも離婚騒ぎがありました。ことなきを得たのですが、それ でもあまりにも身近に離婚と再婚が多くて、びっくりしています。話に はそれほど意味はないのですが、皆さん末永くお幸せに。 悟は、当初もっと落ちついた雰囲気で、ある意味で自分の理想像をと いうのを考えていたのですが、いつのまにか鈍な男になってしまった。 漫画「サイファ」のシヴァとディーナの話を読んで、イメージを作った というのに……だいぶ、違うものに出来上がってしまいました。 次回作があります。大したお話ではありませんが、よかったらまた読 んで下さい。あなたに会えたことを感謝して。
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