長編 #2436の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
僕は笑っていました。僕はいつか杏子さんを抱いて杏子さんと一緒に黒い水の中に 沈んでいっているのを薄れゆく意識の中で感じ取っていていつか笑っていました。あ あ、これで僕も天国へ行ける。毎日の苦しい生活から解放される。がんじがらめに縛 りつけられたような苦悩に満ちた泥沼のような毎日から解放される、と喜んでいまし た。しかも、杏子さんと一緒に白い天国へ旅立てるなんて。杏子さん、もう全然意識 がないのか少しも動かなくてもう死んぢゃってるようだけど僕は小さい頃からずっと 好きだった杏子さんを抱き締めながら死ぬることにとても幸福な思いを感じていまし た。 僕は杏子さんの肉体の重みを感じ取って幸せだった。僕は何もかも忘れていました 。このとき僕は現実の塵埃に満ちた毎日の苦しみを忘れ果てて、どこか湖の岸辺を杏 子さんと手を繋いで飛んでいるようでした。 それは緑色の草や花や木々に囲まれた天国のような岸辺でした。 いつか杏子さんは健康な足を持っていてピョンピョンと元気そうに跳ねていました 。杏子さんの表情はとても幸せそうで解き放たれた足を自慢そうに太陽の光りに輝か せながら岸辺を跳ね回っていました。 (杏子 最後の日記) 敏郎さん。愛してます。杏子、死ぬ前に一度でもいいから 会いたかった。そして せめて 少しでもいいから手をつなぎたかった。ここ半年ほど 全然会ってません ものね。寂しかった。敏郎さん。私 とっても寂しかったのよ。寂しすぎたから死ぬ のかもしれないのよ。会いたかった。会って 話をしたかった。でも でも こんな こと もうできないのね。杏子 もうすぐ 死んでゆくのだから。 敏郎さん。立派なお医者さんになって下さい。杏子 霊界から応援します。きっと 敏郎さんの傍に居続けます。そして敏郎さんを守りつづけます。 杏子の魂は海の中に溶けてゆくんですね。杏子がいつも夕方見つめていたあの海の 中に。…心配しないで下さい。杏子は幸せでした。今もとっても幸せです。死ぬのが 勿体ないみたい。 敏郎さん ステキな恋人を見つけてね 杏子よりずっとずっとステキな女の人を そして幸せになって下さい そして杏子のことは『アー、あんな変わった女のコがい たな。』ぐらいにしか思い出せないようになって下さい。 では さようなら お元気で さようなら 完 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| 13年後 病室より 頭がぼうっとなる。このまま立ち上がれるのだろうか。いつまでたっても、もしか すると少しづつ僕の頭は廃人へと向かって行っているのかもしれない。 僕は本当なら死んでいた。警察から現場検証の写真を見せられたときそう思った。 家に電話が通じなくて親戚の家に電話が入った。『もう駄目でしょう。覚悟をしてい て下さい。』 でも僕は生きていた。何日も夢を見続け自分が中国で三蔵法師のお供をしている夢 などを見た。本当に僕は前世、三蔵法師のお供をしていたのかもしれない。でも罪も 深くて僕は現世にこうして生まれているのかもしれない。 まるで僕の遺書のようだけどもうずっと前に書いてあったこの小説をワープロで打 っていたのでここに掲載しようと思う。そのとき僕はもう死んでいるか、植物人間に なっているのかもしれない。僕の頭はだんだんとぼけがひどくなってきている。治っ て行くとばかり思っていたのにどんどんひどくなってきている。 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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