長編 #2420の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ときどき湧いて来る。 もしも僕が創価学会の信心をしていなかったら、このノドの病気に懸からなくって 、 僕は君と友達になれて、毎日のようにあの浜辺で(ペロポネソスの浜辺で)ゴロと いろんな話を楽しくできたのにと。 でも僕は毎晩・そして毎朝祈っている。 君の幸せを、 一日一時間ぐらい 懸命になって祈っている。 他の人のも合わせると一日二時間ぐらい祈っている。 君は幸せだ。僕にはそうとしか思えない。この頃、国語の本も読めなくなった僕に は。 (ペロポネソスの浜辺にて。 ----高一・一月) 僕らは絶対に人を恨んだりしてはいけない ----僕らはそのことをずっと守ってきた。苦しい時にも誰をも恨まなかった。でも 僕は今、恨もう、としている。僕のノドの病気の原因が何なのか?と考えて、僕は恨 み始めてしまった。僕は恨もうとしている。僕は堕落しよう、としている。 貝殻が波の音に鳴って、それが“愛”の音だと僕は思った。寂しい一人ぼっちの僕 の感傷かもしれない。寒さに震える僕の感傷かもしれない。でもこの波の音は、僕を 懐かしい思い出に浸らせてくれる。中学の頃の、あの頃の日々の思い出と一緒に、僕 に思い出させてくれる。 ----夢の中で---- 波の音が聞こえている。そして歩いてくる杏子さんの姿が見える。もう辺りは夜の 帳が降りようとしていた。 ----ゴロがそうして走っている。君のずっと後ろをゴロは浜辺をものすごいスピー ドで走り回っている。 ゴロは波が打ち寄せる所と浜辺の奥の林の中を行ったり来たりしている。 生きるのが辛いときよく眺めていたこの海も、以前と同じようにエメラルド石のよ うに輝いている。まだエメラルド石のように輝いている。 もう裏山にも雪がコンコンと降り積もっています。僕はもう四日つづけて学校を休 んでいます。現国の授業が厭だし、クラブも厭だから。 僕は雪の中を、白い鳩になって君の部屋の窓辺まで飛んで行きたい。僕には生きる 意味が解らなくなりかけている。辛い日々をなぜこうやって生きていかなければなら ないのか、と思い悩む毎日だ。 もう辛い日々はこの辺で終わりにしたい。僕も幸せになりたい。アマゾンか何処か 喋らないでもいい所へ行って生活したい。 僕は船に乗ってアマゾンへ旅立つだろう。遠い遠いブラジル行きの船に乗って、僕 は秘かに旅立つだろう。雪の降る夜、誰にも見送られずに、僕は一人で旅立つだろう 。 (高一・1月) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 自分がこんな病気になったこと、 ----杏子さんが泣いている---- 外はとても寒く小雪が舞っている それなのに僕は 窓を開け杏子さんの家の方を見た。見えない。雪の向こうにかすかに杏子さんの家の 橙色のカーテンが光っているのが見えるけど、それだけだ。そのカーテンの向こうで 杏子さんが泣いているのだろうけど、僕には何もできない。手紙を書くことも、電話 をかけることも、もう今の僕にはできない。 勉強しなければいけないのに手紙なんて書けない。電話だったら少しも勉強の妨げ にならないけれど、僕は喋れない。雪の向こうにかすかに見える杏子さんの家まで走 っていけばいいのだけど、僕は風邪で学校を休んでいる。本当は風邪でも何でもない のだけど、現国の授業が辛いからだからずっと僕は休み続けているから。 手紙を書くと今夜勉強できないし (高一・2月) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 杏子さん。青い海です。僕は昨夜、悪夢に唸されつつ、何度もこの海を心に描きま した。僕を力付けてくれる青い海。僕に勇気を与えてくれるこの青い海。僕は昨夜何 度死んでしまいたいと心に思ったことでしょう。朦朧とした意識の中で…。でも海は 輝いています。青く青くとても僕に元気をつけてくれるように。 僕は死なない。僕の心にこの海の輝きがあるまでは。僕の心からこの海の輝きが消 え失せたとき僕はそのとき死ぬのだと思います。 でも僕は 僕は雪の中を吹かれ行く。傷付き果てた僕の心は、雪の中を吹かれ行く。失意の僕 の心は、雪の中を吹かれ行く。冷たい冷たい風に吹かれながら僕の心は白い雪原を吹 かれ行く。 『敏郎さん。黒い大きい不安って何?』 『それは僕らを包み込もうとしている黒い大きな悪魔のようなもので、僕らはそれに 、僕らはそれに負けちゃいけないんだけど、僕らはそれに負けちゃいけないんだけど 、“悪魔”は強くて、とても強くて、 負けてはいけないんだ。僕らは悪魔に負けてはいけないんだ。僕らはそれに勝って 、幸せにならなければいけないんだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 『杏子さん、寒くないかい?』 僕はブルブルツ、と震えながら杏子さんにそう囁いた。 『ええ、寒いわよ。でも、今、とっても夕陽が綺麗。』 敏郎さん。私、久しぶりです。 私、こんな美しい夕焼けを見るの。 ずっとずっと一人ぼっちだったから、 四年間も一人ぼっちだったから、 私、久しぶりに夕焼けを見ています。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 耳を澄ますと聞こえてくる波の音は、君が僕の誕生日にくれたオルゴールの鐘の音 のようだ。寂しくて心配で圧し潰されそうになっている僕の胸を慰めてくれるオルゴ ールの音のようだ。 悪魔よ笑え! 俺の病気を嘲ろ! 悪魔よ笑え! 俺の病気を嘲ろ! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー (二月) 私たち、涙を流すマンボウ。 私たち、涙を流す悲しいマンボウ。私たち涙を溜め たマンボウ。でも私たち決して泣かないの。 12月の暮れに重いみかん箱を肩に担いで冷たい風に吹かれながら夜、遠く芒塚や 朝日ヶ峰の坂や階段を登りながら借金のために配達していた母の姿。僕はそういう母 の姿を見て育ってきたからだからこんな強迫的な性格になったのだと思います。 だから僕は必死に創価学会の信仰をしました。中二の頃、もうすでに睡眠時間は5 時間を切っていました。毎晩11時か12時まで題目をあげていました。 寒い夜、僕の母は重いみかん箱を肩に担いで朝日ヶ峰や芒塚の坂を登っていった。 僕や姉に食べさせるため、一家のため、母は凍えるような風に吹かれながらも題目を 唱えながら、芒塚や朝日ヶ峰の坂を登っていった。 ----『敏郎さん、寒いの? 海の中、そんなに寒いの?』 『ああ、とても寒い。寒くて寒くてたまらないけど、でもどうしようもないんだ。ど うしようもないんだ。』 僕は冷たい海の中で君の名を叫んだって、君にもゴロにも僕の声は聞えない。小さ な僕の声は聞えない。 でも僕たちの人生はいつも冷たかったじゃないか。暖かい日は一日もなかったじゃ ないか。少なくとも僕にはなかった。辛い毎日ばかりだった。だから僕は小学三年生 のときに自分から信仰を始めたんだし 冷たい夜ね。 ああ、でも僕らはいつもこんな夜に耐えてきたろ。明日の学校のことが心配で、と ても心配で。 君がゆっくりと歩いてゆく。北風の吹く道のないところを、君の髪は風に吹かれ、 僕はただ涙を溜めて見送ることしかできない。君の愛を感じながらも、現実に負けて しまった僕には、ただ明るそうに振舞うことだけしか、君になるべく心配をかけない ようにしか僕にはできない (僕はこのころ、学校へ行かなくなって、とても自分を卑下していた。) 僕は医者になって、僕は僕と同じような病気で苦しんでいる人たちを救っていくん だ。
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