長編 #2181の修正
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「県政転覆」4−鬼畜探偵・伊井暇幻シリーズ− 久作 ●ミーティング(伊井暇幻) ふぅむ、小林の奴、元気ないな。昨日は屈強な男十二人を相手に喜々として鞭を ふるったり、イロイロやって遊んでたクセに。昨夜も妙に興奮してベッドで激しか ったし。疲れたのかな。 「小林 どうした 元気ないな しょぼくれちゃって 疲れてるのか」 「え べ 別に 僕……」 「昨日は 警官たちを相手にハシャいでたのにな」 「言うな言うな言うな言うな聞きたくない聞きたくない聞きたくないっ」耳を覆 い激しく頭を振る小林。山本が庇って、 「もぉ 先生 ソッとしておいてあげなさいよ 自己嫌悪しちゃってるんだから」 「あん 自己嫌悪だって」 「誰でも 知らなかった自分の性格が解った時 戸惑うものよ」 「うぅむ そぉかぁ 俺もイチかバチかやってみたが 小林がサドだなんて 知らなかったもんな」 「言うな言うな言うな言うなぁぁっ」再び頭を激しく振る小林。 「もぉ デリカシーがないんだから 小林君 気にしないでね で どうすんのよ ターちゃんのこと 昨日は小林君の おかげで 切り抜けたけど この分なら また襲ってくるわよ 別の手で」 「うむ 討って出る」 「討って出るって」山本が怪訝な顔で反問する。 「ターキーを襲う 多分 要人の家を渡り歩いている筈だ 皆で手分けして要人の家を監視 怪しい家に踏み込む」 「それって難しいんじゃない 警備も厳しいし」お、小林も元気になったかな。 「なぁに 警備って言ってもチョロイもんだ 俺に任せろ 政治家 行政幹部 それと警察幹部の住所をリストアップした このうち広い屋敷に住んでる奴が怪しい 狭い家でSMなんてしてたら 家人に気付かれるからな そうすると ぐっと狭まる 踏み込んだら 要人は縛られてるだろうから問題ない 三人がかりで襲って縛り上げて アァしてコォして はぁはぁ ぐひひひひ 今まで自分が責め立てていた奴の目の前で今度は自分が責められ 最大限の恥辱を味わうのだ けっけっけ」うぅむ、興奮してきたぞ。 「先生 そんなことしなくても 捕まえりゃ それでイイじゃないですか」 「小林 俺が何のために この事件に首突っ込んでるか解るか」 「そ それは やっぱり県政を混乱させる怪人を捕まえるため」 「なんで政治の混乱を 俺が収めなきゃなんないんだ 俺の目的はターキーだけ あいつを捕え そうして…… ぐふっぐふっぐふっ」 ●襲撃(山本美貴) もぉお、今夜はデートだったのにぃ。なんで爺さんを見張らなきゃいけないのよ。 ふぅん、副県令でも漫画読むのね。何、読んでんだろ。倍率が小さいなぁ、このス コープ。安物なんだから。なになに、あれ、成年コミックじゃない。自分達は有害 コミックだとか何とか言ってるクセに、自分達の方がヨッポド有害よねぇ。魔女狩 りみたいに禁止禁止って騒いでるのに、自分がマゾなんだから、世話ないわよね。 まったく。マゾ狩りでもすれば。あん、何、あの女……。えぇと、携帯電話はっと。 「もしもし 先生? あ・た・し うふっ」 「あぁ 山本かぁ 動きはあったか」 「えとねぇ 変な女が副県令の部屋に入ったわ」 「変な女? 足が八本あるとか 角が生えてるとか」 「馬鹿 年齢は二十歳前後 小麦色に日焼けした身長一七〇ぐらいの スタイルのイイ奴 レースクィンかイケイケ・ギャルって感じ 髪はサーファー 一言で言えば 下品 多分 セックスの種類は タダレタ感じ Dカップぐらいかな 伸び切った肢体のスレンダー・ボディだけど胸だけデカイ ナウシカ体型」 「ぐひひ 運がイイぜ ターキーがムサい男に変形してるんだったら 別の機会にしようと思ってたんだが…… そぉかぁ タダレたセックスの似合うイケイケ・ギャルかぁ むふふふふ」 「ちょっと 何 言ってんのよ このスケベェ男」 「何って お察しの通り スケベェなこと 言ってるのさ」 「馬鹿 ああっ 副県令が脱ぎだしたわ 見たくない代物ね 器用ねぇ あの女 痛そぉ あんなに体を丸めて縛られたら」 「よし 十五分もしたら そちらに到着する 見張ってろ」 「了解 早く来てね 女と爺さんなんて見てても詰まんないんだから」 さぁてと。あら、女も脱ぎだしたわ。なによ、あの格好。皮かしら。黒いけどテ カテカしてる。ラテックスかな。エナメルみたいな感じね。レオタードみたいな形。 ところどころ穴を開けて素肌を露出させてる。へぇ、靴紐みたいに左右を編んで着 るんだ。ちょっとイイわね。どこに売ってるのかしら。でもサイズがあるかなぁ。 アタシ、一八〇以上あるから男物でもLLなのよね。ああっっ、痛そぉ。あんなに 強く鞭で打って、傷が残らないかしら。でも爺さんは悦んでるみたい。何が楽しい のかしらねぇ。叩いたり叩かれたりして。あれ、爺さん、もう勃ってる。そんなに イイのかしら。アタシも勉強してみようかな。 「おい まだ やってるか」先生が小林君と登場。 「ええ お盛んよ」 「ふぅむ おっ なかなかイイじゃねぇか 今日のターキーは」あら、狡い。自 分だけ高倍率のスコープを持ってる。 「先生 僕にも 見せてよ」 「駄目 小林 お前には刺激が強すぎる また自己嫌悪しちゃうぞ」何も、そん なこと言わなくたってイイのにね。ほら、小林君がムクれちゃったじゃない。 「へっへ おっ イイねぇ 釣り加減で大きめの一重の眼 洋風に高い鼻 すぐ下に唇があって鼻下短 ビカタンはスケベェの相なんだよな よぉし 行くぞ」 先生を先頭に庭へ侵入、足音を忍ばせて縁側に出る。身を屈める三人、いつもは 意識しない連帯感がムクムクと湧いてくる。先生がフワサッと飛び出し部屋に飛び 込み、ルガーP08で女を狙う。アタシと小林君も縁の下から躍り出る。 「ターキー そこまでだ おとなしく 縛につけ」 ターキーは驚き振り返りながら副県令を盾にする。 「おい 九mmルガー彈を甘く見るなよ そんなジジイの体なんぞ突き抜けるぞ」 「人質を撃つ気 このヒトデナシっ」ターキーがヒステリックに叫ぶ。 「くっくっく 副県令も それを望んでるんじゃないか」 副県令はウットリと銃口を見つめていたが、喘ぎながら、 「うっ 撃ってくれ ワシを ワシの体を貫いてくれぃ」 先生は軽蔑しきった声で、 ショット 「ふっ 俺は好みの肉体にしか射精しないんだがね」 ギリギリと歯ぎしりしてたターキーはソロソロと副県令の股間に手を伸ばし、 「アトミックゥゥ…… シェイッカアアーーー」 「うひゃああああぁぁぁっっ」のけぞる副県令の怒張したモノから、凄い勢いで 白濁した液体が迸り、三人に襲い懸かった。 「あああっっ 畜生っ きったねぇ」三人は腕で顔を庇い身を竦める。と、その 隙に縛り上げた副県令を投げよこしながら、ターキーがヒラリと窓から身を躍らせ た。 「待てっ」と言って待つワケもないけど、反射的に先生は叫んで追っていく。ア タシと小林君も後に続く。 バルンッ。爆音を残してアメリカンの大型バイクが走り去る。三人は軽四にアタ フタ乗り込み、アクセル全開、タイヤを軋ませながら追っていく。ターキーの茶色 い髪が曲がる度に右に揺れ左に靡く。アタシはギヤを三速に落としエンジンに悲鳴 を上げさせながらアクセルを踏み切りカーブを曲がる。グイッと遠心力で外側へ横 滑り、ヒヤヒヤしながらもスピードは落とせない。それでもターちゃんとの距離は 縮まらない。 「ねぇ先生 なかなか追い着かないわよ ボロいんじゃない この車」 「馬鹿野郎 お前みたいなデカイ奴が乗ってるからスピードが出ないんだよ」 「そんなこと言ったってぇ」ふん、アタシだって小柄で可愛い女の子に生まれた かったわよ。悪かったわね、大柄な美人で。本当にデリカシーの無い奴! 「先生 離されてるよぉ」小林君が悲痛な叫びを上げる。 「うぅむ 排気量は あっちの方が大きいからなぁ だが作戦はある もうすぐ自動車専用道路に出る 山本 その時 横に並んでくれ」 郊外の自動車専用道路。田舎の午前一時には原チャリ一台走っていない。カーチ ェイスっていうよりレースね、これじゃ。アタシは三速で七〇キロまでスピードを 上げておいて、徐ろにトップにブチ込む。フッとエンジンが悲鳴を止め身軽になる。 九〇キロ、一〇〇キロ、一一〇キロ。横に並んだ。 「おおいっ ターキー 止まれ 止まらんと 犯すぞ」また、馬鹿が馬鹿なこと 言ってる。意外な言葉にターキーはチラ、と軽四の後部座席に目を遣り、顔色を変 える。アタシもつられてルーム・ミラーを覗く。この馬鹿、何やってるのかと思っ たら、小林君の服を剥ぎ取り、自分もパンツを下ろしている。 「けっけっけ 止まらんと 小林を お前の目の前で犯してやる きっきっき 解ってるんだぞぉ 貴様が小林に惚れてるのは」 「ひっ卑怯ぉ者っ ヒトデナシ 変態 その子を放せっ」ターキーは美しい顔を 歪めて怒鳴ってる。どぉなってるの? 「くっくっく 奇麗な肌だぜ こぉやって揉む時 掌に粘り着いてくるよぉだ」 「やだよぉ 先生 やめてよぇ 助けてっ 助けて」小林君はクスンクスンと鼻 を鳴らしながら涙声を上げ、ジタバタもがいてる。 「やめろっ 小林君を放せぇっ 卑怯者っ やめろおっっ」 先生がニタァと笑って前を指差す。真っ赤になって怒鳴っていたターキーの顔が 怪訝な表情になり前を向く、そして驚き青くなり、悲鳴を上げた。急カーブ目前。 キュルルルル、タイヤが黒い焦げ臭い跡を残しながら絶叫する。ガッシャーン。バ イクはガードレールに激突し、ターキーの体は宙に放り出され、視界から消えた。 あああ、せめてヘルメットぐらいかぶってりゃヨカッタのにねぇ。 車を止め、ターキーが飛んでいった辺りに警戒しながら歩いていく。ターキーは 道路から十メートル以上離れた場所に、グッタリと倒れていた。生きているみたい。 先生が靴先で頭を小突くと、呻き声とともに意識を回復した。 「とうとう 追い詰めたぞ アブノーマル・ターキー」 「ちくしょおっ お前なんかに 捕まるなんて」悔しげに睨み上げるターキー。 「ふっ 役者の格が違うんだよ」気取んないでよ、醜男は。だいたい先生が格が 上なのは、変態についてでしょ。 ブルブルと身を震わせていたターキーが素早く腰に差した九尾鞭を抜き、先生へ と繰り出し、起き上がろうとした。先生は上半身をグンと大きく振ってかわし、回 り込んでターキーの背面、骨盤の上部辺りを両の人差し指で突いた。 「はううっっ」崩れ落ちるターキー。 「秘孔を突いた」優位に立つと、どこまでも傲岸な態度をとる、嫌な奴。 「うううっ 秘孔だと」ターキーは潤んだ瞳で見上げる。 「そうだ 俺が お前の性感帯を忘れると思うてか そりゃそりゃ あたたたたたたたたたたたた」先生は雄叫びしながらターキー の乳房や腿や脇腹などなど激しく責め立ててる、らしい。動きが速すぎて、手元が 見えない。 「あああああっっ やっやめろぉ」ターキーは、細く長い首をのけ反らせる。こ れって、もしかして単なるレイプなんじゃない? 「きっきっき」涎を垂らせんばからにエゲツなく笑いターキーを裸に剥いて悶え させる先生。呆然と見守るアタシと小林君。 「さぁ フィニッシュだ」先生はパンツを下げる。ナニする積もりかしら? タキィオォン ……グラインダァァッッ」(作者註:説明しよう。タキオン・ グラインダーとは、タキオン粒子と同等の速度でグラインドする究極の技なのだ) 「おおおおっっっ」ターキーは引き締まった裸身を強張らせたと思うと、ビクン ビクンと大きく痙攣し、ガックリと倒れ込んで、意識を失った。 「はぁはぁ 恐ろしい敵だった」先生は荒い呼吸の侭に立ち上がる。ターキーを 見下ろし、胸ポケットからラークを一本取り出すと、火を点けて、 「暴力は 愛には勝てないのだ 決して」重々しい口調で呟き薄い煙をユックリ と吐き出した。あん? SMが暴力で、レイプが愛って言いたいわけ? 馬鹿なん じゃない。だいたい、気取るんならパンツぐらい穿きなさいよ。 (つづく)
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